『久保田』を産んだ長岡・朝日酒造 ファンとの絆を深め日本酒の新たなシーンをつくる

『久保田』『朝日山』などを醸す長岡の朝日酒造。伝統を守りながらの新しい挑戦に迫る。

■日本酒がある「新たなシーン」を

朝日酒造

銘酒『久保田』も、すでにロングセラーブランド。ファン層拡大のために取り組んでいるのは、「日本酒がある新しいシーン」の開拓だ。

川嶋:『久保田』が生まれて33年になり、30年前に飲まれていた方はだんだんお酒から離れられたり、若い方にとっては、「お父さんが飲んでいたお酒だよね」など少し敷居が高く感じられることもあるかもしれません。


そこで、若い世代の方にも興味を持っていただくための活動もしております。30周年記念の際には、表参道ヒルズで体験イベントを開催しました。また、東京・銀座に開店した飲食店『久保田』では、味わう温度帯によって日本酒の風味や香りが大きく変わることを体験していただいています。


昨年秋には、地元新潟発のアウトドアブランド『スノーピーク』さんとのコラボで、アウトドアで楽しんでいただくための日本酒『久保田 雪峰(せっぽう)』を発売しました。


「アウトドアで日本酒なんて大丈夫なのか」という声もありましたが、実際にスノーピークさんのキャンプ場に行くと、「ポン!」とシャンパンを抜く音がするんですね。みなさん、お酒にも料理にもこだわって上質な時間を過ごされていた。その場と時間は、新しい日本酒体験になりうるのではないかと考えた次第です。


「品質第一で、酒づくりの正道を歩む」ということは、昔からずっと言い続けており変わりません。その上で、新しい美味しさ、日本酒のあるシーンをお届けするのが、私たちが今あるべき姿だと考えています。


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■拡げるだけでなく深める絆

朝日酒造

新しいシーンの提案を拡げるだけでなく、ファンとの絆を深める施策にも余念がない。

川嶋:昨年7月には、弊社のエントランスホールで「原酒100本の利き酒会」を開きました。このイベントは3回目になりますが、酒づくりを行っていない夏場に酒蔵でのイベントはちょっと珍しく、普段は飲むことができない原酒が100本ずらっと並ぶのは、お酒好きの方にはたまらない機会だったようです。


現在、年間約2万人の方が、蔵見学にいらっしゃっています。見学の後に利き酒をしていただくのですが、知っていただく以上に「一度口にしていただく」ということが大切です。


さらに深くお酒について知りたい人のために、一般向けの「塾」も開講している。

川嶋:『あさひ日本酒塾』は、2017年で18期目になります。10月から3月まで4回の講義や体験の場があり、お酒の効能について栄養学の先生の講義があったり、海外の日本酒事情を学んだりされています。こちらは、若い参加者の方が多いですね。


また、卒塾されたOBの方による『千楽の会』という組織もあります。こちらでは、春の田植え、夏は田の草取り、秋は稲刈りなど、米づくり・酒づくりを一貫して体験していただいています。


何よりもその方々が、「こんな体験をしてきたよ」と伝えて拡げてくださるのが、ありがたいですね。

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■ストーリーが残るお酒を