盲導犬を見て犬好きが「無意識にしてしまう」迷惑行為 絶対NGな理由に「知らなかった…」と驚きの声続出

仕事中の盲導犬を前から見つめ、無言で応援する行為が犬の集中力を乱していると話題に。「知らずにやっていた…」と、驚きの声が相次いでいる。

2026/04/21 10:30

盲導犬とユーザー
(Imazins/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

目が不自由な人々の目となり足となり、従順に仕事を行う盲導犬。そんな姿を見て、心の中で「頑張れ」と声をかけた経験は誰しも一度はあるだろう。

しかしじつは、そんな陰ながらの応援が「犬にとって迷惑だった」という事実が判明し、驚きの声が上がっているのだ。


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■駅ホームで乗客が「盲導犬触る」トラブルか

ことの発端は、盲目のシンガーソングライターのマエケンさんが投稿した1件のポスト。

「横浜市で働く盲導犬ユーザーの女性が、駅ホームで乗客が盲導犬の頭をなでて気を引いたために盲導犬が勝手に動き出してしまい、どちらが線路側かわからなくなり方向感覚を失い、大変困ったという」「みんなはお仕事中の盲導犬には絶対触らないでね!」という内容のポストは、投稿されるや否や話題となった。

当該のポストには「そんなことをする人がいるなんて…」「お仕事中の盲導犬には話しかけない、触らないのは常識ですよね」など、驚きと疑問の声が多数寄せられている。

マエケンさんの投稿を受け、『ファサード』『1/4×1/2』などを代表作に持つ漫画家の篠原烏童(しのはら・うどう)氏が反応。

当該のポストをリポストした後、「盲導犬、お仕事中さわらないでね」という内容に、自身の著書『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』の数ページを添えて投稿した。

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■『いっしょにあるこうね』ってどんな話?

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

同作はラブラドール・レトリバーの男の子・コディが生まれ、様々な訓練や人との触れ合いを経て、立派な盲導犬として生きる姿を「盲導犬目線」から描いた作品だ。

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

篠原氏が投稿したページは、盲導犬としてデビューしたコディが街中で遭遇したトラブルを乗り切るシーン。

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

そのかわいさゆえに、仕事中であるにも関わらず「コディ、頑張って!」と名前を呼ぶお隣さんや、つい頭を撫でてしまう通行人の女性が現れるも、コディは「ハーネスつけてる時は、大切なお父さんのことだけに集中したいんだ」と、盲導犬としての仕事を全うする。

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

すると前からやって来たのは、前出の人々のように名前を呼んだり、声をかけたり、触ったりはしないものの、正面からコディをまじまじと見つめながらガッツポーズを見せ、心の中でコディを応援する男性。

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

無言の応援を受け、コディは「見つめられるだけでも困っちゃうの」「アイコンタクトっていうの? やっぱりお父さんに集中できなくなっちゃう」と戸惑いつつ、「だからホントはハーネスつけてる盲導犬はまるでいないみたいに、ただのお父さんの一部分みたいにムシしてくれたら一番の応援なんだけど」と、心の中で思うのだった。

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■「知らなかった…」と驚きの声続出

こちらのシーンを受け、Xユーザーからは「触らないのは当たり前だが、ガン見するのもダメだったのか、ごめん知らなかった」「見つめるのも盲導犬には負担なのか! 知らなかったー。通り過ぎてから見ることにする。頑張って!」「ついつい見つめちゃうから、気をつけようと思います」など、驚きの声が相次いだ。

犬が大好きな記者も、街中で犬を見かけるとつい目線が向いてしまう。それが盲導犬ともなれば、前出の男性のように心の中で「頑張れ!」と応援した経験は一度や二度では足りない。

しかし、自身が「慎ましい応援」と思っていた行動が、じつは犬の集中力を乱す「独りよがりな応援」だったと知り、ショックを受けた思いだ。

盲導犬
(Iyanjf/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

なお、同作執筆に当たり篠原氏が取材を行った「日本盲導犬協会」公式サイトでも、街で盲導犬に出会った際のお願いとして、「声をかけたり、じっと前から見たり、口笛をならしたりしない」「食べ物を見せたり、あげたりしない」「盲導犬をなでたり、ハーネスを触ったりしない。自分のペットと挨拶させようと近づけたりしない」と、呼びかけている。

しかし、これは街中で盲導犬とユーザーを見かけたら「無視をしろ」と言っているワケではない。頼りになる相棒・盲導犬がいても、視覚障害者にとって街中には危険がたくさん潜んでいるのだ。

前出のページでは「盲導犬に出会った時にまず最初にお願いしたいことは、そっと温かく見守っていただくことです。盲導犬が集中力を欠くと、安全に歩けなくなってしまいます。どうか後ろからそっと見守って、もし困っているようであればお手伝いをお願いします」と、呼びかけていた。

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■電車で「盲導犬の対面」になった際は…

今回は話題のポストの詳細をめぐり、投稿主・篠原氏に話を聞いてみることに。

漫画のワンシーンを投稿した経緯について、篠原氏は「『いっしょにあるこうね』は随分前に描いた作品ではありますが、漫画は少し見ただけでも分かりやすいと思い、今までも関連したポストを見たりすると、数ページを投稿したりしていました」「今回は、知らない人に撫でられた盲導犬が方向を見失ったというポストが流れてきたので3ページ投稿したところ、たくさんの方々にご覧頂けました」と、振り返る。

ポストに寄せられた意見としては、やはり「見つめるのもいけないのか!」という反応が多かったという。

話題のシーンについて、篠原氏は「取材時に、電車の中などでずっと見つめてアイコンタクトしてしまう(本当に微笑ましく、励まして見てらっしゃる)方々がいて、犬はどうしてもきょときょと反応していました。しかし、視覚障害のあるユーザーさんにはそれが見えません」「また、こうしたアイコンタクトは犬が好きな方ほどしてしまいがちな点がもどかしく、『協会の方々も分かってはいるけれど、もともと協力を求めている立場なのでそこまでは言いにくそう』と感じ、作中に組み入れました」と、説明している。

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

また、Xユーザーの意見には「(盲導犬として)犬を働かせるのはかわいそう」という内容も散見されたそうだ。

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

こうした意見についても作中では真摯に向き合っており、篠原氏は「たとえ説明を受けたとしても、やはり『イヤだ』という方はいらっしゃると思います。難しいところですね」と、語っていた。

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■盲導犬について「知る」漫画

恐らく、身近に「盲導犬のユーザーがいる」「知覚障害者の知人がいる」という読者の方が少数なのではないだろうか。街中で困っている姿を見ても、「どう助ければ良いか分からない」と、苦い思いをした経験がある人もいるだろう。

今回話題になった『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』では、主人公のコディや、コディのユーザー「お父さん」をはじめとする様々なキャラクターが登場する。

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』
『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』[新装版]発行:秋水社

そんな中、記者が特に印象に残ったのは、工事現場の前にある横断歩道を渡るタイミングが「音」で判断できないお父さんに勇気を出して声がけする女性や、点字ブロックの上に置かれた自転車をどかすおじさんといった、「こういう人になりたい」と心から思える、名も無き親切な人々であった。

ぜひ盲導犬について知る「とっかかり」として、同作品をオススメしたい。10月12日には、篠原氏書き下ろしカバーでの新装版も発売予定だ。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。犬が大好きで、元保護犬のダックスフンドと暮らしている。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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