わいせつとは? 日本の性表現の問題点は? 川奈まり子・ろくでなし子が激論

川奈まり子氏・ろくでなし子氏が、日本の性表現やネット炎上などについて激論!

■「フェミニズムアート」の問題点

ろくで:一方で、風俗嬢が危険な目に遭うのとかは、積極的に取り締まってほしいです。


川奈:日本では売買春は非合法ですが、アムネスティ・インターナショナルが言うようにセックスワークを非犯罪化したほうがトラブルに遭った当事者が声をあげやすくなって、司法が介入しやすくなり、犯罪や性感染症の問題などが減ってくるのではないか、と思います。


そのかわり、ゾーニングとかレイティングとかは、いっそう重要になってきますが。


ろくで:未成年は勢いでやってしまって後悔するかもしれないから、ゾーニングは必要ですよね。


川奈:ろくでなし子さんの作品は、ゾーニングいらないと思います。


ろくで:私の作品は、昔は男性に敵が多かったですが、最近は潔癖なフェミニストの人にも多いんですよね。私みたいに、ふざけていると怒られる。


「フェミニズムアートの歴史は、女性の苦しみや怒りを表現してきた」という考え方で、おちゃらけたことをやることによって「バカにしてる」「踏みにじられた」と思うらしい。


川奈:女性は苦しんでなきゃいけないんですかね?


ろくで:そう、でも被害者でないといけないのは、つらい。フェミニズムアートの伝統工芸みたいなことはやりたくないんです。ふざけているのを怒られるのは、やっぱりおかしい。ふざける権利もあると思うんです。


川奈:「男性に性を管理されるのではなく、女性も自分の性を自分で掌握してコントロールする」ということをずっとめざしてきたフェミニズムの歴史を思えば、「自分の性器を自分の好きなように扱う」という主張をしてるろくでなし子さんを、「よくやってくれた!」とフェミニストがほめないのはおかしいと思います。


ろくで:そうしてきた人たちの貢献は尊敬するけど、「戦ってきた彼女たちの気持ちもわかってね」と言われるのは意味がわからないんです。私が留置所での体験をスライドで見せた時も、「こんな風に明るく笑い飛ばされてはいても、とてもおつらかったのではと思う」と言われたり。


とにかくわたしを「傷ついて可哀想な被害者」だと思いたいみたいで、違和感があります。での体験をスライドで見せたりしたら、とにかく「私が傷ついている」と思いたいんでしょうね。


川奈:実際、留置所ではつらかったんですか?


ろくで:つらいこともあったんですけど、頭にくるけど、おもしろい。女性器のことで警察がこんなに怒ってるなんて、まるでギャグ漫画だ!と笑うしかなかったです。あと、警察にはすごく感謝しています。


自分で、私はこんなに意思が強いなんて思っていなかった。留置所ですごく鍛えられました。自分がアイルランドに移住するどころか、逮捕されるともまったく思っていなかったし。


川奈:捕まると、「なんでもいいから罪を認めてすぐに出たい」と思う人もいますよね。


ろくで:アムネスティの人が言っていたのですが、男性のほうが留置所とかには弱いそうです。女性はそもそも日常的に虐げられているからかもしれませんね。


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■性表現への規制から拡がる恐怖

川奈まり子ろくでなし子


川奈:表現規制についてですが、最近、ある配信サイトでは、児童ポルノと誤認されないために、ふつうのアイドルのイメージビデオまで売らなくなりました。警察や国がアレをしてはいけない、となるのは一番よくないですが、民間が自主規制みたいなのを拡げてしまうのは、怖い。


ろくで:萎縮していったら、表現者が何にも表現できなくなってしまいます。エロから始まって、どんどん拡がっている。戦時中と同じ流れみたいで気持ち悪いですね。


川奈:出版やCM、AVもそうですが、いろんな業界が同時にそうなって、今や社会全体が性表現を厳しく規制する流れです。こういう風潮と戦おうという人々もあまりいません。かつては居たと思うのに。


ろくで:AVがなくなったら産業的にもまずい?


川奈:たぶん、多くのAV業者が地下に潜ることになって、人権問題で言ったら、よけいひどいことになります。見えないところで深刻な人権侵害が起きる。


AV業界の黎明期にはたしかにヤクザとかもいましたが、いまは大卒の一般的な社員が増えている。明るい業界になって反社会的な勢力が排除されて…という形が理想的なのですが、今、もし潰されてしまうと40年前の状況に逆戻りしてしまう。


ろくで:HRNの「AV女優の個人情報をばらまく」とかは、本当に怖いですね。女優さんの人権を守る提言のはずだったのに、被害者か加害者かわからなくなってる。


川奈:HRNはAV産業が女性の人権を侵害していると主張していて、AV女優の人権を守るとは言っていないんですよ。


ろくで:彼らは、AVをなくしたいんですか?


川奈:そうですね……。でも、AV業界は、いいか悪いかは別にして産業として成り立っています。流通や販売の末端まで含めると約10万人が関わっていて、トータルで5000億円くらいの産業。現役AV女優だけで4000人くらい存在して、過去に出演した経験のある女性を合算すると、およそ15万人もいると言われます。


もしAV出演という行為が無条件に職安法の有害危険業務だとなってしまうとOBを含めたAV女優へのスティグマがさらに強化されるでしょう。過去にAVに出演していたことが明らかになって仕事をクビになったり、パワハラやセクハラにあったり…といった差別はすでにあるのです。それが、もっとひどくなる。


ろくで:恐ろしいですよね。


川奈:HRNには、「激しい差別にさらされることになる私たち現役・元AV女優の人権は?」と問いたいです。


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■性表現にもっと自由と幅を

川奈:私が現役のときはAVのバリエーションが豊富だったんです。痴女モノが流行っていて、女性が性的に解放されて、主体的にあれこれやっちゃうみたいなのとか、いろんなのがありました。


でも、最近は、女性が一方的にやられるみたいなものが多くなって、ちょっとワンパターンなのではないかと感じます。


ろくで:私も自分でするときは、「女性からガンガン攻める痴女もの」を見たりします。


川奈:AVって本当はいろんなことができるはず。いろんな料理があるように、AV・性表現も多様であっていい。私は、自分が出演した作品だと、ドタバタコメディ的なものが好き。どんなジャンルのものでもそうじゃないですか。なんでもあって選べる、というのがいいと思うのですが。


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(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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