山形の工場で発見された普通の腕時計、その正体が「ロマンの塊」と話題 カシオ広報に詳細を聞いた

山形のカシオ工場で購入できる腕時計が、全国の時計好きの間で話題に。カシオ広報は「一般の受け入れはしていない」と、注意を喚起する。

2026/07/02 11:00

「聖地巡礼」と呼ばれる観光スタイルをご存知だろうか。漫画やアニメ、映画やドラマの舞台となったり、歴史上の大きな出来事が起こった地に足を運び、思いを馳せる活動である。

以前X上では、とある時計好きのユーザーが投稿した「聖地巡礼」のポストに、驚きと称賛の声が寄せられていたのだ。


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■「山形工場の腕時計」が話題

今回注目したいのは、時計専門誌『クロノス日本版』および、『ウェブクロノス』の編集長を務める広田雅将氏が投稿したポスト。

当該のポストには、店頭展示のスタイルで置かれた「CASIO」ロゴを冠した銀色の腕時計の写真が添えられている。

そして本文には「山形カシオの工場に行くと、メイドインジャパンのA159を買える。4,400円なり。これを現地で買うためだけに、山形カシオに行く価値はある」と、興奮した様子で綴られていたのだ。

カシオ「A159WA」
画像提供:カシオ計算機

当該のポストは投稿されるや否や瞬く間に話題となり、わずか数日で7,000件近くものリポストを記録している。

しかし、あまり腕時計に詳しくない人は、「それがどうしましたか…?」と、思わず首を傾げてしまったのではないだろうか。

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■「ロマンがある」と共感相次ぐ

カシオ計算機(以下、カシオ)を代表する腕時計の人気ラインが、いわゆるチープカシオ。

名前に「チープ」と付いているが決して安っぽくなく、無駄のないミニマルなデザインはカジュアル、フォーマルな服装にもマッチする。お手頃価格で高性能、且つ気取らないデザインはいつの世もユーザーに愛されているのだ。

カシオ「A159WA」
画像提供:カシオ計算機

そんなチープカシオは海外製が中心だが、前出のポストに登場した正式名「A159WA」は、世界が羨む信頼と実績のメイド・イン・ジャパン。山形のカシオ工場で製造されている。

山形カシオ工場
画像提供:カシオ計算機

つまり「山形のカシオ工場でA159を買う」という行為は、聖地巡礼にして究極の「産直販売」と言えるのだ。

山形カシオ工場
画像提供:カシオ計算機

もちろん同モデルは「工場限定販売」というワケでなく、令和の現代ならば家にいながら指1本でオンライン購入も可能。しかしそれを突っ込むのは野暮というもので、「作られた場所で買うからこそ価値がある」という広田氏の思いは、多くの時計好きの共感を集めているようだ。

実際、当該のポストには「こういうの、ロマンがあるよな」「他でも買えるけど、あえて現地工場で買うことに大きな付加価値がある」など、粋なコメントが多数寄せられていた。

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■一般の受け入れは不可、しかし…

だが一方で、カシオに問い合わせたところ「工場の一般開放はしていない」という回答を受け、困惑したユーザーもいるようだ。そこで今回は「A159産直販売」の真偽をめぐり、カシオ広報に話を聞いてみることに。

山形カシオ工場
画像提供:カシオ計算機

取材に際し、カシオ広報は「工場見学はメディア取材ほか、カシオまたは山形カシオとお取引のあるお客様に加え、地域貢献および次世代育成の一環として、地元の小・中学校の受入れを行っております」と、回答。

山形カシオ工場
画像提供:カシオ計算機

加えて、「一般の方の受け入れは行っておりませんので、ご注意頂ければと思います」と、説明していた。

山形カシオ工場(物販ショーケース)
画像提供:カシオ計算機

時計専門誌の編集長である広田氏は業務の一環で工場を訪れ、その際にA159を発見。その感動を投稿したところ、予想以上の反響があったということなのだろう。

実際、今回のポスト投稿の経緯について広田氏に話を聞いてみたところ、「この気持ちを時計好きの方々に伝えたいと思いポストしましたが、ここまで拡散されるとは思いませんでした」と、驚いた様子で振り返っていた。

カシオからすれば、一部誤解を招く恐れもある広田氏のポストが拡散されることに懸念もあったと思うが、広報担当者は「今回のご投稿をきっかけに、当社のA159の魅力に再注目頂けたことは、非常に嬉しく感じています」ともコメントしており、ポジティブに受け止めた部分もあるようだ。

カシオ「A159WA」
画像提供:カシオ計算機

残念ながら、現時点では一般ユーザーの工場訪問は不可能。しかしぜひ、カシオが「1989年の発売以来、高い信頼性とシンプルなデザインで、グローバルに支持されているモデル」と太鼓判を押す名品A159の魅力に、改めて触れてみてほしい。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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