ワクチン接種完了者わずか13%で五輪開催の日本 無謀さに海外の批判報道が続く
東京五輪で最も「人の動き」を作るとされる年齢層に、ワクチン接種が浸透していない。これは大きな問題だ。

6月23日、アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』が、東京五輪を控えているというのに、日本において2回の新型コロナウイルスワクチン接種を完了した人たちの割合が、あまりにも低いことをグラフで報道。それでも日本政府は「急ピッチで接種が進んでいる」としていた。
あれから2週間、期待したような数値になっていないことをAP通信が伝え、海外メディアも続々とそれを引用。日本に大勢の五輪選手団や関係者を派遣することから、どの国にとってもこの話題は他人事ではないようだ。
■裕福な国家50のうち45位
ニューヨーク・タイムズの『A Month Before the Olympics, How Is Japan Faring With Covid?(五輪まであと1ヶ月。日本は新型コロナの問題をどう対処していくのか)』というタイトルのその記事。
なかでもTwitterで話題になったのは、裕福な国家ベスト50におけるワクチン接種完了者の割合を示すグラフだった。
ほとんどの国が接種率25%を超え、50%を突破して80%を目指す国もあるというのに、日本は群を抜いて低く、たったの7%でワースト5だった。「安全安心な五輪開催」が使命の日本政府は、「急ピッチで接種が進行」と強調していたが、思ったようにはいかなかったようだ。
■2週間後もわずか13.8%
このほどAP通信は、『As Tokyo Olympics approach, virus worries rise in Japan(五輪が近づき新型コロナの懸念はますます広がる)』という記事を掲載。
「ワクチン接種を2回完了した人の割合が日本はわずか13.8%」「ウガンダ五輪選手団2名の感染はデルタ株」「職域・大規模会場が新規の申請受付をストップするなど、日本の接種は急ブレーキの状態」などといくつもの事実を明らかにした。
世界中の主要メディアが今、この記事を引用して続々と報じており、そこに「これで五輪を開催するのは無謀だ」などと添えるメディアも多い。
■送迎運転手は未接種のまま乗務か
ワクチン接種の優先順位に関する考え方は世界でほぼ共通しており、日本の13.8%の完了者についても、ほとんどが医療従事者、入院患者あるいは施設入所者、そして高齢者である。
だが、東京五輪で「人の動き」として懸念されている年齢層にワクチン接種が浸透していない、このことは今の日本の大きな問題だ。
折しも、東京五輪・パラリンピックの選手などを送迎する6万台のバスの運転手たちについて、接種がまるで間に合っていないことが明らかになり、ネットでは「人命軽視にもほどがある」と炎上している。
■怖いのは偽陰性の「すり抜け」
菅義偉首相は、海外から来日する五輪選手団や大会関係者について、水際対策を徹底していくと再三にわたり宣言している。しかし「その部分をどう頑張っても、特例扱いで14日間隔離を免除してしまうのでは、検査のすり抜けによる感染拡大を避けられないだろう」と話す専門家は多い。
唾液で行う抗原検査は、結果が出るのは早いが感度はPCR検査より低く、空港や飛行機で感染した場合は、ウイルス量の少なさからPCR検査でも偽陰性(実際は陽性なのに陰性と判断)となりやすいことがわかっている。
「安全安心な五輪」という言葉に納得している国民は、いったいどれほどいるのだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)






