精子の減少で自然な子作りはあと25年が限界か 環境ホルモン研究の権威が警告
カップ麺は陶器に移して熱湯を。プラスチックの食器を温めることは、できるだけ避けたいものだ。

米国の名門医科大学で環境医学および公衆衛生学を教える傍ら、数十年にわたり、いわゆる環境ホルモンの害について調査研究を進めてきた女性教授。このほど「自然妊娠を期待できるのは2045年までかも」と論じ、波紋を広げている。
『Children’s Health Defense』や英紙『The Guardian』ほかが報じた。
■危険なプラスチック依存
現在のようなプラスチック依存の暮らしが続けば、この地球上の生き物の精子の減少は食い止められない。長年にわたりそう主張してきたのは、米国・ニューヨーク市の名門「マウントサイナイ医科大学」で、環境医学および公衆衛生学を教えているシャナ・スワン(Shanna Swan)教授。
教授は「もちろん他の要因も考えられるが」と言い添えている。しかし、プラスチック製品、化粧品、殺虫剤、電子機器などにごく微量含まれる環境ホルモン(正しくは外因性内分泌かく乱物質)の体への蓄積は、精子減少とおおいに関連性があると主張してきた研究者のひとりだ。
■性ホルモンを変化させる
そのスワン教授が、2月23日に著書『Count Down:How Our Modern World Is Threatening Sperm Counts, Altering Male and Female Reproductive Development, and Imperiling the Future of the Human Race』を出版。
そのなかで、このままでは2045年には男性のほぼ半分が無精子となり、ほかの多くの男性も不妊に苦労するだろうと論じた。2017年のデータと曲線のメタアナリシスから、そう予想されるという。
■親の生活様式で胎児にも影響
不妊治療に通う女性が35歳からいっきに増えるといわれているが、スワン教授は「昔はその年齢で不妊や流産で悩む人はほぼいなかった。現代はさらに勃起不全に悩む男性の割合も年1%ずつ増加している」としている。
また、親の生活様式次第で胎児も環境ホルモンの影響を受け、性器の奇形や、成長過程で早期の月経開始や腫瘍の発生をみることがある。
だが、その原因のひとつが親の体に蓄積された環境ホルモンだと気づかない人がほとんどだとし、教授は「まずは問題を正しく認識してほしい」と呼び掛けている。
■日々できることで改善を
プラスチックを軟らかくするために使用されるフタル酸エステルや、缶詰の裏地としても使用されているビスフェノールAなど、危険な化学物質からは、できるだけ遠ざかりたいものだ。
食器を漆器、磁器、陶器、ガラスにする。市販の総菜・弁当、カップ麺は温める前に食器に移し、ラップを食品に触れさせないようにする。生活のなかでこうした工夫やひと手間を加えることはできる。
「人類は自然消滅するのか」と騒ぐ前に、安全な暮らし方について、今一度じっくりと考えてみたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)






