旧長岡藩主・牧野家の酒蔵を受け継ぐ柏露酒造 果実リキュールなど新たな挑戦も
創業130年超える歴史を誇るが、地元密着の蔵として挑戦を続ける。
柏露酒造が蔵を構える長岡市は、昔から長岡藩の城下町として栄えてきた地。また越後平野の中央に位置し、良質な米の集散地としても賑わってきた。市内には現在も新潟県内で最多の16もの日本酒蔵があり、技を競っている。
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■目指すは芳醇で味わい深く上品で奥深い酒
「当社の出荷先は県内よりも首都圏が圧倒的に多いんです。都内の百貨店などでの取り扱いが主となっています」
と、取締役社長の尾坂茂さんは柏露酒造の販路について紹介する。 主な銘柄は『越乃柏露』。贈答品によく選ばれているという。
「酒質は、芳醇で味わい深く上品で奥深い酒を目指しています」というが、 なるほど、三つ柏の紋をあしらった『越乃柏露』のラベルには高級感が漂い、誰かに贈りたくなる趣がある。
■紋は旧長岡藩主の家紋から
この三つ柏、じつは旧長岡藩主牧野家の家紋。牧野家は江戸時代から明治維新までの250年余り、長岡の地を統治した大名家だ。
1882年、その牧野家から酒造蔵を譲り受け、三つ柏紋の使用と商品名「柏露」を継承したという経緯が『越乃柏露』にはあった。
もともとこの蔵の創業者は長岡藩の御用商人。江戸時代の1751年に「越中屋」として造り酒屋を開業した。『越乃柏露』には、そうした関わりから生まれた背景を持つ由緒ある銘柄。贈答品に選ばれる品格も頷ける。