蔵人たちのこだわりが生みだす『越路吹雪』 独自の酵母と信濃川が育む米と水の恵み
蔵独自の「オリジナル酵母」にもこだわる新潟『越路吹雪』の蔵元を取材。
■豊かな自然の恩恵を活かして
蔵は新潟市の西部に位置し、近くにはラムサール条約湿地のある佐渡弥彦米山国定公園も。
「とにかく水資源に恵まれています。新潟には信濃川水系と阿賀野川水系がありますが、うちは信濃川水系。非常に水が軟水でミネラル分が少ないので、雑味のない淡麗な味わいの酒に仕上がります。
昔から川が運んでくれた肥沃な土壌は新潟の宝。米どころといわれるのは、2つの川のおかげです」
■作り手が見える米作りでよりよい酒を
その水と大地で育つ米がうまいのは当たり前。そんな米を使わない酒造りなんてもったいない。だから原料米は燕、三条地域の地元農家と直接契約のものをメインにして、より上質で安心なものを求めています。
直接契約をすることで、農家さんも高野酒造の酒の米を作っているんだと自負していただけていると思います。契約農家の田には緑色の看板があり、それを見ると私たちもその場所がより愛おしくなるのです」
と、米作りから関わることができる点に大きな意義を見いだしている。
さらに酒米のクオリティをあげるべく、越後酒米栽培研究所を発足させて農家と蔵で意見交換を行っている。実家が農家の従業員も多く、同じ目線で話し合いができるのだそうだ。