天皇陛下がお気持ちを表明 「生前退位」をにじませる内容に
2016/08/08 16:40

天皇陛下のお気持ち表明の放送が行われた。
陛下のお言葉の全文をここに書くことはできないが、その内容は「生前退位」を強くにじませるもの。「天皇の高齢化」という現象が発生した場合に起こり得る懸念を、陛下は率直に示されたように感じた。
もちろん、そのお言葉ひとつひとつは非常に慎重であるが、内容には陛下の「強いご意志」がはっきりと表れている。
■殯と摂政
今回、天皇陛下は「殯」についてもお気持ちを述べられた。
すなわち、天皇崩御の際の諸儀式に費やされる時間と手間は、国民生活を停滞させてしまうのではないかというご懸念だ。こうしたことについての言及は、一般国民にはまずできない。
現代人の暮らしと、今現在の皇室の在り方には温度差があるということだろう。
また、陛下は「摂政」に関しても言及された。「天皇の公務を摂政が負担する」ということは、巷でも議論されている。だがそれについての陛下のお考えは、どちらかと言えば慎重的、または否定的のように感じた。
「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません」
このお言葉ひとつ取っても、生前退位のご意向が色濃く表れている。
■やはり難しい皇室典範の「改正」
ただ、これをもって皇室典範の改正が加速化されるかといえば、それは難しいかもしれない。
天皇陛下は冒頭で、こう述べられている。
「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人としてこれまでに考えてきたことを話したいと思います」
これは非常にデリケートな問題で、「陛下がこう述べられたからこうなる」と結論づけることはできない。此度の陛下のお言葉も、あくまで「陛下個人のお気持ち」という前提である。
いずれにせよ今後は、生前退位を認めていない現行の皇室典範を改正するか否かが、大いに議論されるだろう。もし今現在の皇室で生前退位を認めると、皇太子が不在になるという問題も発生する。
乗り越えなければならない壁は、何重にも存在するのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
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