メルカリ、障害者手帳カバーを高額出品するユーザー現れ物議 東京都は「倫理上、望ましくない」と苦言
メルカリで東京都の「障害者手帳」カバーが高額販売されているを見た生活保護自給者が販売を検討し、話題に。東京都は「倫理上、望ましい行為と言えない」と、苦言を呈している。
「なんでも売っている」という表現は主に褒め言葉として使用されるが、時には真逆のニュアンスで使用されるケースも。
以前X上では、生活保護受給者がメルカリで販売を検討していた物品に対し、疑問の声が相次いでいたのをご存知だろうか。
■障害者手帳を12,000円で売買
ことの発端は、とあるXユーザーが投稿した1件のポスト。
「障害者手帳のケースが12,000円で売れてました」という書き出しから始まる投稿には、「メルカリ」の出品商品一覧を収めたスクリーンショット画像が添えられており、ポスト本文は「生活保護で暮らしている僕にとって、12,000円は大金です」と、不穏な文章が続く。
その後には「正直、カバーなんて無くても困らないし、売れるならそっちの方がありがたい。手帳さえ使えれば良いんだし」と綴られていた。
■「違法行為では?」と疑問の声相次ぐ
確かに当該ポストの内容を受け、メルカリで「障害者手帳」を調べてみると、自治体から交付されたと思しき障害者手帳のカバーの出品が複数確認できた。

特に、東京都の障害者手帳(緑)が多く、物によっては20,000円という高額が設定されていた。使用目的は定かではないが、良からぬ理由で使用されることは容易に想像がつく。
当該のポスト内容、および「メルカリで障害者手帳のカバーが売買されている」という事実は大いに物議を醸し、「偽造の手帳作成の加担になるのでは」「売上等が入ったら、都度報告の義務がありますよ」「これ、違法行為じゃないの?」など、疑問の声が相次いでいた。
そこで今回は、障害者手帳カバーの転売行為をめぐり、東京都立中部総合精神保健福祉センターおよび、メルカリ運営に詳しい話を聞いてみることに。
■東京都は「倫理上、望ましくない」と苦言
メルカリの出品商品一覧を受け、中部総合精神保健福祉センターの担当者は「質感・サイズ感の断定はできないが、似ていると思われる商品がサイト上で確認できました」と、頷く。
ちなみに、今回物議を醸した緑色のカバーは「精神障害者保健福祉手帳」に使用されるもので、その特徴については「一定の精神障害(てんかんを含み、知的障害は除く)の状態にあることを証する手帳を交付することにより、手帳の交付を受けた人に対し、様々な支援策を受けやすくする制度です」と、説明している。
これらの手帳、およびカバーは2年に1回の更新時、市区町村の窓口で申請の手続きを行なって交付されるもので、担当者は「カバーと手帳、両方の交換を求めております」と、そのルールを補足していた。
加えて、何らかの事情により手帳およびカバーが不要になった場合、これらは東京都に返却する必要がある。つまり、たとえカバーだけでも転売という行為自体が明確な「違反」と言えるのだ。
今回のようなケースをめぐり、中部総合精神保健福祉センターの担当者は「想定していない行為であり、倫理上、望ましい行為とは言えません」と、苦言を呈している。
■メルカリ運営も「違反行為」認める
また、本件に関してメルカリ広報も「障害者手帳を含む各種福祉手帳は、公的証明書類に該当するものとして出品を禁止しております」と回答。
禁止しているのは手帳だけに限らず、「それら各種手帳と一緒に交付される自治体名が印字されたケース(カバー)につきましても、福祉手帳の一部であるとして、出品いただけないものとなっております」とも補足していた。
これらは「禁止されている出品物」の「領収書や公的証明書類」に該当するという。
メルカリ広報は「メルカリでは365日24時間体制で、当社の利用規約に違反する商品の自動検知システムおよびカスタマーサービスの目視により、出品や取引を常時監視し、出品禁止物及び禁止行為の排除に努めております。上記システムでは、商品情報や取引にかかわる豊富なデータとAI技術を元に、商品の削除やお客さまへの警告を行っております」ともコメントしている。
実際、10月15日時点では確認できた障害者手帳カバーの販売ページだが、その数日後には削除されていた。
また、メルカリ広報は「私達は、誰もが安心して参加できる、多様で自由なマーケットプレイスを創っていくことを目指しております。外部有識者によるアドバイザリーボードを通じて定めた『マーケットプレイスの基本原則』及び本原則に則り定めている利用規約・ガイドに準じて判断を実施しております」と、今後の展望を語っている。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




