喜多方市の児童ポスターコンクール、入賞作品が「生成AIでは」と物議 審査員は「本人が描画した」と判断

福島県喜多方市のポスターコンクール入賞作品が「AI生成ではないか」と話題に。実行委員会は取材に「本人が描画した作品であると判断した」と、回答している。

2026/10/20 05:45

様々なシーンで活用され、もはや見かけない日の方が珍しいAI生成技術。しかし、こと「イラスト」の分野になると、批判的な意見が多数を占めるのが現状である。

現在SNS上では、そうした傾向を如実に象徴するエピソードが物議を醸しているのだ。


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■ポスターコンクール受賞作に「AI生成」疑惑

ことの発端は、「僕が小学生の時じゃ考えられないくらい今の子たちは絵が上手いのなぁ。構図も練られているしさすが! AIも顔負けだね!」という内容の、Threadsの投稿。

こちらの投稿には福島県喜多方市で開催された「全国醤油サミット in きたかた醤油消費拡大推進ポスターコンクール」の入賞作品の画像が添えられている。

全国醤油サミット in きたかた醤油消費拡大推進ポスターコンクール
画像は「喜多方市」公式サイトのスクリーンショット

しかしその一部には、ネット上で多数目にするAI生成画像との共通点を感じさせる作品が混じっていたのだった。

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■「真面目に描いてる子がかわいそう」

すると、こちらの投稿の話題はXにまで飛び火。

Xユーザーからも「AI感がすごい」「手描きで直したとしても、パッと見でAIが原画だと分かる」「真面目に、自分の力で描いている子どもたちがかわいそう」「こういうコンクールや自由研究、AIに丸投げの家庭は多いんだろうな。子供の柔軟な発想や思考を育む機会を奪わないでほしい」「審査員たちは、これがAIだと気づかないのか」「AIで作って、それをなぞって描いたように見える」といった具合に、疑問や非難の声が多数上がっている。

全国醤油サミット in きたかた醤油消費拡大推進ポスターコンクール
画像は「喜多方市」公式サイトのスクリーンショット

一方で「『AIの使用禁止』というルールがあるワケでもない」など、擁護の声も一定数確認できた。

そこで今回は、疑惑の受賞作品を含む一連の作品について、全国醤油サミットinきたかた実行委員会事務局に話を聞いてみることに。

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■事務局は「本人が描画した作品である」と判断

同コンクールの趣旨について、事務局は「市民一人一人が醤油の食文化への理解を深めるとともに、醤油の消費拡大を図るこ とを目的として、市内児童を対象に、醤油をテーマとしたポスターコンクールを開催いたしました」と、説明している。

そして、「食卓における醤油の活用が広くPRできるもの」「ポスターとしての描写や色彩感覚が優れているもの」「醤油の消費拡大につながる標語が入っているもの」という3点を審査基準とした審査を実施し、優秀作品を選考したという。

また事務局からは「なお、今般のポスターコンクールにおいては、生成AIの使用に関する明確な定義や制限は設けておりません」とのコメントが得られており、物議を醸している作品についても「応募作品の審査においては、ポスターデザインにおける生成AIの使用有無に関わらず、本人が描画した作品であると判断し、入賞作品を選定したところです」と、説明している。

「コンクール作品にAI生成画像を認めるか」という議題から始まったネット上の論争は、いつしか「受賞者への誹謗中傷」へと繋がってしまった。

こうした流れを受け、事務局は「多くの優秀な作品を提出いただいた中で、特に優秀な作品をホームページ上で掲載することとしておりましたが、ソーシャルメディア上において児童の氏名を掲載した誹謗中傷が見られたことから、児童の安全確保とプライバシー保護を最優先に考え、ホームページへの作品掲載を中止することといたしました。作品の公開を楽しみにされていた皆様には、誠に申し訳ございませんが、子どもたちが安心して創作活動に取り組み、自分の作品に誇りを持てる環境を守るための判断であることを御理解いただきますよう、お願い申し上げます」と、説明している。

また、今後のコンクール運営、および規定について尋ねたところ、「生成AIの活用や利用方法が多様化していることから、今後のコンクールの運営に当たっては、他のコンクールの事例等も参考にしながら、生成AIの取扱いを含め、応募要件や審査方法等について必要に応じて検討してまいります」との回答が得られている。

これまでとは比較にならないほど、生成AIが進化を遂げた昨今。我々は正に「AIとの向き合い方」を問われている時代に生きているのだ。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

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