新宿の繁華街ど真ん中に置かれた「撮影中、迂回して」看板の内容が「おかしくない?」と物議 警視庁に見解を聞いた
新宿の道路に「撮影中」と書かれ、車両の迂回を呼びかける看板に「管理者名が無い」「誘導員がいない」と疑問の声が続出。警視庁は「道路使用許可の申請が必要」と、説明する。
工事現場の付近でよく見られるのが「通行禁止」や「迂回」を呼びかける立て看板。しかし、中には「これに従う必要があるのか?」と首を傾げたくなる看板も存在する。
以前X上では、都内で目撃された立て看板に、疑問の声が相次いでいたのだ。
■道路のど真ん中に「撮影中」の看板
今回注目したいのは、Xユーザー・はやみんさんが投稿したポスト。
「すげえ邪魔なんですけど、車の通行制限するほど効力あるん?」と綴られた投稿には、「撮影中」と大きく書かれた立て看板が、道のど真ん中に設置された写真が添えられている。

看板には、縦書きで「ご迷惑をおかけしております。一般車両は迂回のご協力をお願いいたします」と、記されていた。
■発見者「迂回経路の地図も誘導員も無かった」
ドライバーからすると通行の妨げでしかない看板は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「邪魔すぎる」「こんなもん通報して、看板撤去でしょ」「誰が何のために撮影しているのか何も分からない。責任の所在が不明」「無視して良いのでは?」「普通こういうのって、交通誘導員の配置が必要なのでは?」といった具合に、疑問の声が多数寄せられていた。
すげえ邪魔なんですけど
車の通行制限するほど効力あるん?🤔 pic.twitter.com/MQtosQg3Lj— はやみん☆ミ (@haya_ming) August 27, 2026
ポスト投稿主・はやみんさんに確認したところ、こちらの写真は8月27日の20時23分ごろ、新宿駅西口付近で撮影されたものと判明。平日とはいえその時間帯の新宿であれば、人や車の量もそれなりに多かったことだろう。
当時の様子について、はやみんさんは「道路上で2カ所、こちらの看板が設置されていました。付近にはライトアップされたラーメン屋台と大人数の撮影班、そばに10名程の通行人エキストラと説明しているスタッフを見かけたので、ドラマか映画の撮影だと思われます。見ている時間では車が通りかかる事は無く、撮影現場付近には通行整理のスタッフの姿があり人の流れは順調そうでしたが、離れた位置に置かれていた看板の周りには誘導員らしき姿は見かけませんでした」と、振り返っている。
道路工事の看板での迂回依頼では、迂回経路の地図が貼られていたり、誘導員の指示があるのに対し、こちらの撮影現場では無人の看板1枚で済ませようとしている点に違和感を覚え、Xに投稿したという。
そこで今回は、こうした立て看板を設置する上でのルールを確認すべく、警視庁に詳しい話を聞いてみることに。
■警視庁は「使用許可申請が必要」と説明
まずは、都内公道を「撮影」などの理由で使用する際の条件や、必要となる届出の有無について尋ねてみる。
すると、警視庁の担当者からは「道路において撮影(ロケーション)等、一般交通に著しい影響を及ぼす行為を行う場合には道路使用許可が必要です。道路使用許可を受けようとする道路の場所を管轄する警察署(交通規制係)に、申請書類を提出し申請してください。申請に必要な書類など、詳細については警視庁ホームページに記載がありますので、参考としてください。申請内容により、道路交通法に基づき、警察から条件を付し、指導を行う場合があります」という回答が得られた。

では、そうした申請が許諾された上でも「看板に管理者の名前を明記しない」「交通誘導員を配置しない」といった対応が見られた場合、問題に抵触するのだろうか。
これらの具体例2点について、担当者は「警察として具体的な規則は設けていないものの、道路における安全を担保するため、交通誘導員及び必要な保安資(器)機材の配置を道路使用許可の条件に付し、指導を行うことがあります」と、説明する。
このように、看板の内容に関する規則を警察側では設けていないが、現場の状況や交通妨害の程度を個別具体的に判断し、必要により指導等を行うケースはあるという。
つまり、不審な立て看板を発見した場合は、近隣の交番や警察署に相談し、「道路使用許可を受けているのか」「交通を著しく妨害していないか」という2点を確認してもらうのが良いだろう。
これまで「撮影」と言えば、その大部分はテレビ局主導によるものであった。しかし、個人での配信が容易になった現代では、こうした問題が各地で散見されているのかもしれない。
関連記事:道路に設置された大量の看板、予想外な光景にギョッとした 「こんなことある?」と話題に…
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
・合わせて読みたい→都内焼肉屋「店主が変わってまともになりました」看板が「どういうこと?」と話題 現店主に設置の意図を聞いた
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




