エスカレーターの片側空け、なぜ消えない? 「空いた側で立ち止まれる人」は約3割
今もなくならないエスカレーターの「片側空け」。世の中の人々はどう思っている?

「エスカレーターは立ち止まって2列で乗る」が正しいマナーだということはほとんどの人が知っているはず。
しかし駅では、片側を空けたまま長い行列ができる、そんな「非効率な光景」が今日も繰り返されています。
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■社会は「立ち止まって」と呼びかけ
近年は、鉄道事業者や自治体が「エスカレーターでは歩かず、両側に立ち止まって利用を」と呼びかける取り組みが各地で広がっています。駅構内のアナウンスでも「歩かずに立ち止まろう」「両側にお乗りください」といった案内が流れるようになりました。
名古屋市は「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を制定し、利用者には「右側か左側かを問わず、エスカレーターの踏段上に立ち止まって利用」と義務付けています。さらに管理者にも「利用者に対して、立ち止まった状態でエスカレーターを利用するよう周知」が義務付けられています。立ち止まりが普及すれば片側を空ける必要がなくなり、片側空けも廃れていくかもしれません。
また、福岡市地下鉄はAIを活用し、歩いている人への注意喚起や、片側が空いて待機列ができた場合の「二列利用」の呼びかけなどの仕組みも導入しました。
■空いた側に立ち止まれる人は約3割

ここまで呼びかけや仕組みが整いつつあるなかでも、行動として「当たり前」になっているとは言いづらい状況です。
2026年、Sirabee編集部が全国10〜60代の男女776名に意識調査を実施したところ、「エスカレーターの空いた側で立ち止まって乗れる」と回答したのは全体の28.0%。
裏を返せば、7割以上の人がその場に流れる「暗黙のルール」によって行動が左右される状況だと考えられます。
■「片側空け」に否定的な人は増えている
ただ、意識が昔から変わっていないわけではありません。
Sirabee編集部が2021年に10~60代の男女3,140名に実施した調査では、片側空けに否定的な人は24.9%。当時はまだ多くの人が片側を空けるのが正しいとされていました。
その後、2024年の調査では、片側空けに否定的な人の割合が41.0%へ上昇。「立ち止まって2列に乗る」の認識そのものは、確実に広がっています。
■個人のマナーではなく「空気の問題」か
実際、筆者も家族連れが多い商業施設なら両側に立てますが、駅では難しく、今では避けるように階段を選ぶことが増えました。
多くの人は、片側を空けたいわけでも、急いで歩きたいわけでもないはずです。しかしながら「エスカレーターはそうするものだ」という空気が、行動を決めてしまう場面も少なくありません。
今回の調査で「空いた側に立ち止まって乗れる」と答えた28.0%の存在は、そんな空気が変わりうることを示す希望とも言えそうです。
■執筆者プロフィール
二宮新一:Sirabee編集部員。年間700本以上のエンタメニュース、グルメ・レシピ、商品レビュー記事を執筆。
芸能人愛用のグッズやインフルエンサーおすすめグルメ、料理研究家のレシピなど、気になる情報をわかりやすく届けるのがモットー。記事を通じて「読んでよかった」と感じてもらえる瞬間を大切にしています。
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(文/Sirabee 編集部・二宮 新一)
調査対象:全国10代~60代の男女776名




