斎藤雅樹氏、20勝目をかけた試合で“登板辞退”を直訴 その理由に江川卓氏「面白い」
19勝で迎えたシーズン最終戦。登板の機会が巡ってきたが、元巨人の斎藤雅樹氏は「僕、いいです」と言い…。
■登板辞退しようとしたワケ
1989年、19勝で迎えたシーズン最終戦で、登板の機会が巡ってきた斎藤氏。20勝達成のチャンスだったが、斎藤氏はなんと「僕、いいです」と登板を辞退しようとしたと回顧する。
「何でそう言ったかって言うと。防御率がもう確定だったんですね」。最優秀防御率のタイトルがほぼ確定していて、優勝も決まっていた消化試合。もし登板して打たれると防御率が悪化し、最悪の場合、20勝も最優秀防御率のタイトルも両方逃してしまうと考えた。
■藤田監督が一喝「何度でもできると思うな!」
「西本聖さんが20勝してたんですね。僕19勝で、西本さんはもう1勝ぐらいできそうだったので。僕が20勝しても最多勝獲れるか分かんないし」「僕の防御率は、その時点で1.6ちょいで。すぐ上にマキ(槙原寛己)さんとかいた。だから俺が投げて、防御率が悪くなって1個もタイトル獲れなかったら嫌だと思った。ちゃんと計算した」と説明する。
しかし、当時監督の藤田元司さんからは「20勝なんか何度でもできると思うな!」と怒られ、斎藤氏は渋々マウンドへ。「防御率絶対獲るぞ! と思って投げた」結果、6回無失点で勝利投手に。最終的に最多勝(20勝)と最優秀防御率(1.62)の投手2冠を手にしたと話した。
■江川氏も驚き「タイトル狙いにいってるとは…」
これに江川氏は「斎藤さんの性格が少し見えて面白いです。もうちょいアバウトにやってると思ってた。タイトル狙いにいってるとは思わなかった」とびっくり。
「でも、防御率って面白いんだけど。計算するんだよね。計算機使ったでしょ? 計算機を使って、あと何イニングで1位になるとかやる。僕もやりましたもん」と語ると、斎藤氏は「あります。やっぱり、1番になるのは良いですから」と笑った。
一喝してマウンドへ送った藤田さんの英断。あの一言がなければ、斎藤氏は20勝を逃していたかもしれない。監督の強いプッシュと、それに応えた斎藤氏の集中力が、結果的に最高の形で報われた名采配エピソードだった。





