太田光、“パワハラ”指摘に「冗談じゃない」と反論 弁護士の見解は…
昔の後輩との思い出話を「パワハラじゃねぇか」と言われた太田さん。法的にはどうなのか…。

8日放送のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』でお笑いコンビ・爆笑問題の太田光さんが、過去の言動について「パワハラ」と指摘され、「冗談じゃない」と反論した一幕がありました。実際にパワハラに当たるのか、弁護士に聞いてみました。
■後輩芸人に長時間の稽古
番組内では、後輩芸人だった元お笑いコンビ・5番6番(1998年2月結成・2010年9月解散)についての話題を切り出した太田さん。「どうしようもなかったよ。俺らの番組の前説しか仕事なくてさ」「2人でしょっちゅう喧嘩して」と、10年以上活動していても仕事がなかった上に、コンビ間での揉め事も多かったようで、解散を考えていたといいます。
太田さんは「もうコイツらもう芽がねぇな」と思いながらも、コンビの1人は「まだ解散したくない」と言っていたことから、「ちゃんとやったら絶対、お前らのネタはウケるから」「ウケるはずだけど、お前、多分やり方だと思う」と、TBSの楽屋を借りて2人に稽古をすることに。
「ビックリするぐらい下手だったのね」と演技を全部直し、6時間ぐらいの稽古をした結果、舞台ではじめてウケたことを振り返りました。
■「もうショックで…」
この思い出話をテレビで話したところ、講談師の神田伯山さんから「それはパワハラだ」と言われたのだとか。
「やめると決まってる人に対して、ダメ出しすんのはパワハラじゃねぇか」と口撃を受けたことを明かし、太田さんは「冗談じゃない」と反論。「俺は、1回ウケたことを経験させたいってやっただけなのに」とボヤきながらも、「『パワハラだ』とか言われてさ、もう俺もショックでさ」「もうなんかさぁ、『やめよう』と思って…」と落ち込んでいる様子を見せました。
■実際に“パワハラ”になるのか…
おそらく15年ほど前の出来事なので、当時はまだ「パワハラ」という言葉が広まっていなかったと思われますが、今の時代ならどうなのか…この疑問について、男女問題やハラスメント事案に詳しい齋藤健博弁護士にお話を伺いました。

齋藤:「パワーハラスメント」とは、自身の立場を利用した、正当ではない要望や要請のおしつけ、と理解されています。もちろん15年前には一般的な言葉ではありませんでしたし、むしろ当然あることだと理解されていたのかもしれません。
自分の権限や立場・地位を利用して自身が仕向けたい方向に人を動かす方法は、問題があると思いますが、太田さんは「もうコイツらもう芽がねぇな」と思ったとしても、「まだ解散したくない」という気持ちも知っていたことから「ウケるはずだけど、お前、多分やり方だと思う」と稽古を施した結果、実際に舞台でウケています。
■法的には…
――神田伯山さんは、やめると言っている人へのダメ出しは「パワハラじゃねぇか」との意見のようです。
齋藤:やめると決まっていた人だからパワハラ、なのではなく、太田さんが自分が先輩であるということを顕示したのであればパワハラです。あくまで法的にはそうですが、私としては「愛ある鞭」だと理解する方がいいのではないかと思います。
法的にもパワハラには該当しないということは伝えてあげたいです。
【弁護士 齋藤健博】
自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。セクハラや、浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
YouTubeチャンネルはコチラ:弁護士「齋藤健博」チャンネル
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立場を利用したハラスメントが許されないのは当然です。しかし、自分にとって都合の悪い指導を「パワハラ」と断じる風潮が、指導する側の過度な萎縮を招いている昨今。
相手を思う気持ちと受け取る側の感情がすれ違い、成長の機会さえ失われるとしたら、それは誰にとっても不幸なことです。今回の太田さんの件を通じて、ハラスメントという問題の難しさを改めて考えさせられますね。
■長谷川 瞳
10年以上の放送作家の後ウェブの世界へ。多くのインタビュー経験を経てエンタメや社会問題の記事を書く日々。ストレス解消法は、愛犬(ポメラニアン)に顔をうずめること。
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(取材・文/Sirabee 編集部・長谷川 瞳)




