みかんの中から現れた謎の物体、軸腐病が話題に みかんのプロは「食べずに捨てて」と回答
みかんの中から現れた、謎の物体がネット上で話題に。みかんの専門家は「果実の軸が傷んでいるが、決して珍しくない」と、説明する。
■みかんのプロ「果実の中心部が傷んでいる」
「みかん王国」として名高い愛媛県に拠点を構える「のま果樹園」は名前の通り柑橘の栽培も行なっているが、メインは柑橘を選別する「選果場」という工場としての事業である。

イメージとしては、柑橘ひとつひとつをコンピューターで測定し、味・外観・傷の有無・傷み具合によって選別・出荷しているという。言わば、みかんの状態に関するプロフェッショナル集団なのだ。
今回話題となったみかんの写真を見て、のま果樹園の担当者は「軸腐病(じくぐされびょう)という症状です。栄養を運ぶために果実の中心部を通っている軸の部分が傷んでしまっている状態です」と、断言。
発生の原因については、「生育中に病原菌がヘタから入り込んでしまい、収穫後貯蔵しているうちに発病して傷みが発生することが原因です。病原菌と言っても、明らかに傷んでしまっていない限りは問題ありません。元々はヘタに抑制物質を持っていますが、貯蔵が長期になることでそれが失われ、発病します」と、説明していた。
また、温度が高い環境もみかんの保存条件としては良くないそうだ。今回のみかんは元々、冷蔵庫で保存していなかった祖母宅から引き取ってきたものなので、貯蔵期間・温度共に、軸腐病が起こりやすい条件を満たしていたのだろう。
■発見したら食べずに捨てて
軸腐病が見られたみかんの対処について、のま果樹園の担当者からは「カビと同じですので、食べずに捨ててください。その他の部分については食べられないことはないと思いますが、味わいも落ちていますので避けた方が良いでしょう」とのアドバイスが得られた。
軸腐病を発症したみかんは、皮を剥く前に何らかの方法で特定できないものだろうか。
こちらの疑問に対し、のま果樹園の担当者は「(皮を剥く前の)外見で、軸腐病かどうかの判断はできません。当社では光センサーによって非破壊で内部品質の検査ができますが、ここまで傷んでいると発見は可能なものの、発病していない段階のものは判定できません」と、説明している。

今回話題となった写真を見て、みかんに対するマイナスイメージが生まれた人もいるかもしれない。
しかし、みかんのプロ・のま果樹園からの説明を聞いたところ、こうした事例は「そこそこ起こるケース」であり、みかんは「単に傷んでいるだけ」であることが判明。今回の現象は決して、「みかんに固有な異常事態」というワケではないのだ。
みかんは風邪の予防や肌の健康に役立つビタミンCを筆頭に、様々な栄養素を含んでいる。そして何より、美味しい。保管方法にはくれぐれも気をつけて、美味しいみかんを食べよう。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ビタミンCが豊富なフルーツが好きで、特にいちご、みかん、キウイを愛好。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




