『あんぱん』「井伏鱒二、太宰治、フランケンシュタイン」に意味不明との声も… “伏線回収”だった
NHK朝ドラ『あんぱん』で嵩(北村匠海)が口にした『怪傑アンパンマン』のイメージに首を傾げる視聴者の声が。しかし過去の放送にはちゃんとヒントがあって…。
■『怪傑アンパンマン』のイメージは…
重なる仕事でミュージカル『怪傑アンパンマン』の稽古になかなか参加できず、代わりに打ち合わせに出ていたのぶ(今田美桜)から内容を聞いていた嵩。
ある日の稽古時、演出を務めるマノ・ゴロー(伊礼彼方)に話しかけると「ここのアンパンマンの登場のシーン、ここだけはとくにこだわりたくて」と言う。
そして物語を書くにあたり最初に浮かんだイメージについて「井伏鱒二、太宰治の世界観、あと、映画『フランケンシュタイン』ですね」と伝えた。
■「意味不明」「今まで出てきたことも…」
するとXでは「井伏鱒二、太宰治、フランケンシュタイン?」「いったいどういうことで、これらがつながるのだろうか。私には意味不明である」「ごめん嵩、よく分からん(笑)」「嵩、アンパンマンでかなり難しい世界観だ、ソレ」などと首を傾げる視聴者が続出。
「ジャムおじさんに“造られた”というところは確かにフランケンシュタイン」といった声は上がったものの、「太宰治とかフランケンシュタインとか今まで出てきたこともなかったよなあ」「そんなこと……劇中で一つも語ってないしそんなエピソードありましたか?」と唐突な“イメージ”に疑問を持った人は多いよう。
しかし一方で、「フランケンシュタインでたー」「東京の学校に行ったときにフランケンシュタインの映画を見てた微かな記憶が…なんかのぶに送った手紙にも銀座の雑踏のイラストにフランケンシュタインも描いてあったような?」と反応する人も…。
■じつは何度か登場していた
井伏鱒二については東京高等芸術学校に通っていた嵩が本屋で『厄除け詩集』を手に取っており、戦時中のエピソードでも登場。
太宰治については筆者の記憶では嵩が『厄除け詩集』を手に取ったときに本棚に『晩年』が映ったという程度だが、フランケンシュタインについてはじつは何度か登場している。
それは同じく嵩が東京高等芸術学校に通っていた頃で、親友(現在では義理の弟でもある)の健太郎(高橋文哉)と銀座で観ていた映画が『フランケンシュタイン』だった。
そしてその後、のぶへ宛てた手紙や卒業制作にはフランケンシュタインが描かれており、嵩はその映画によほど感銘を受けたのであろうと想像できる。
■アンパンマンとフランケンシュタインの関係
ちなみにやなせたかし氏の著書『アンパンマンの遺書』では、『怪傑アンパンマン』の物語のはじまりである“嵐の夜にアンパンマンが登場するシーン”について、映画『フランケンシュタイン』が下敷きになっていることが書かれており、嵩のセリフは事実に基づいたもののようだ。
筆者は嵩が映画館で『フランケンシュタイン』を観ているシーンでは「何故に…」と思ったものの、手紙や卒業制作のフランケンシュタインは単純に“学生生活の楽しい記憶”のひとつとして描いたものと捉え、まさかここにつながろうとは思ってもみなかった。
ドラマの放送も残り2週間を切り、散りばめられた伏線が徐々に回収されていくことが予想される。こういった細かいロングパスまで受け取りきれるかどうか少々不安を覚えるが、ドラマを楽しみつつ見つけていきたい。
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(文/Sirabee 編集部・今井のか)





