『日清焼そばU.F.O.』名前の由来、「未確認飛行物体」だけではないと判明 「知らなかった…」と驚きの声
『日清焼そばU.F.O.』の名前は、ある単語の略でもあったと判明。ユーザーからは「知らなかった…」と、驚きの声が上がっている。
■50年前のカップ麺業界、戦国時代だった…
— 雑学を教えてくれるこいしちゃんbot (@Zatugaku_Koishi) July 23, 2025
『日清焼そばU.F.O.』が誕生したのは、世界初のカップ麺『カップヌードル』の発売から5年後の1976年(昭和51年)のこと。

発売当時の業界情勢について、日清食品の広報担当者は「同年4月、日清食品にマーケティング部が設置され、安藤宏基 (現在の日清食品ホールディングス社長・CEO) が、初代部長に就任しました。当時は『カップヌードル』が爆発的に売れていて、続々と他社がカップ麺市場に参入しており、特にカップ焼そばは約10社がしのぎを削る全面戦争の状態でした」と、説明する。
令和の現代では信じ難いが、当時のカップ焼そばは、ほとんどが『カップヌードル』と同じ縦型の容器で、数社が「四角い弁当型」を採用していたという。
当時、マーケティング部長を務めていた安藤氏は「味や香りや具材で、製品の差別化を図るのは難しい」と考え、焼そばを『カップヌードル』と同じような縦型の容器で食べる点にも抵抗を感じていた。
そのため、開発担当者が安藤氏から受けた最初の指示は「容器のバリエーション開発」であった。そして様々な調査を行ない、「焼そばは、皿で食べるもの」という、多くの企業が見落としていた当たり前の結論に到達。
日清食品の広報担当者は「日本人の体に染み付いた習性を大切にし、誰もが美味しいと感じられる容器の形として、円盤型のカップを採用することに決まりました」と、説明している。
さて、容器が決まったら次は「中身」を決めなければならない。
焼そばの魅力について、当時の開発担当者は「焼そばはソースで食べるもの。さらに言うと『ソースの香り』で食べるもの」だと考えた。これを突き詰め、同社では焼そばを鉄板で炒めたときの香ばしいローストフレーバーを再現することに決定。
広報担当者は「『フタを開けたらソースの香りが家中に溢れ、1カ月に何度も食べたくなるガツーンとくるにおい』を目指し、強烈な液体ソースが開発されました。これが『日清焼そばU.F.O.』成功の鍵だったと言えます」と、語っている。
■偶然の行動から生まれた「U.F.O.」
様々な工夫と趣向が凝らされた製品開発だが、意外にも苦労したのは「ネーミング」だったそう。
興味深いエピソードとして、日清食品の広報担当者は「社内で広告代理店の担当者や、開発担当者と一緒に会議を開いていたときのことです。どうしてもネーミングが決まらず悩んでいたときに、ある社員が何気なく丸いプラスチックのフタを投げてみたところ、空中を滑るように飛んでいったのです」と語る。

その様子が空飛ぶ円盤そっくりだったことから、「U.F.O.」という名前が閃いたのだ。
広報担当者は「当時、日本はUFOブームで、テレビや新聞では連日、目擊情報が飛び交っていました。そのため、その場で『日清焼そばU.F.O.』でいこう、と決まったのです」と、補足している。
また、Xの投稿にあったとおり、製品名の英3文字は、U=「(ソースが)うまい」、F=「(麺が)太い」、O=「(キャベツが) 大きい」の頭文字にもなっているそうだ。
■商品名は「美味しさ」の象徴だった
その商品名が表すように、「濃厚なソース」「太くて食べ応えのある麺」「大きくてシャキシャキとしたキャベツ」の三本柱こそ、発売当時から現在に至るまで変わらない『日清焼そばU.F.O.』のアイデンティティであり、ユーザーに愛され続けている理由なのだ。
日清食品の広報担当者は「その中でも、濃厚なソースの香りには特にこだわっています」とのコメントしており、確かにこのガツンと来る香りは、一度食べたら忘れられず、ヤミツキになってしまう。
半世紀にわたって魅力の根幹がブレない、正に不動のベストセラー商品『日清焼そばU.F.O.』だが、もちろん様々な改良が施され、進化し続けている。

例えばパッケージ。その軌跡について、広報担当者は「発売当時は、かぶせ蓋に印刷した紙を乗せていましたが、1997年からはフタに直接デザインを印刷し、赤と黒を基調としたパッケージに変更しました。1999年には紙とアルミ箔を貼り合わせたフタをカップに圧着させる方式に変更するとともに、『ターボ湯切り』を導入し、湯切り時間を約半分に短縮しました」と、振り返る。
そして2009年からは、カップに直接デザインを印刷するのではなく、現行商品のように外装のシュリンク包装に印刷することで、より鮮やかで美しい見栄えを実現。

加えて、「同年には、麺をそれまでの“ちぢれ麺”から、新開発した“ストレート麺”にリニューアルし、生麺のような本格的な見た目と食感を実現しました」とのコメントも得られている。

通常のタイプに加え『日清焼そばU.F.O. 油そば ラー油マヨ』や、期間限定の『日清焼そばU.F.O. カップヌードルシーフード焼そば』など、豊富なバリエーションを展開している点も見逃せない。

次に『日清焼そばU.F.O.』を食べる際は、ぜひ進化の歴史、そして商品名に込められた思いを感じながら味わってほしい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




