家の天井に巨大なクモ発見、思わず死を覚悟するも… 専門家は「ゴキブリを駆逐する戦士」と敬礼
夜遅くに帰ってきた我が家で、巨大なクモに遭遇した光景が話題に。日本蜘蛛学会はその正体を「ゴキブリを駆逐する戦士」と説明する。
■発見時は「終わった…」と絶望
こんなに疲れて帰ってきたのに、神さまはまだ試練を与えるのか pic.twitter.com/Eu22yoMYXb
— 山田伊純 (@yamadaisumi) May 10, 2025
クモを発見した際の状況について、ポスト投稿主・山田さんは「遠方から帰宅して廊下に上がり、ふと見上げると扉の上に大きなクモが張り付いていて、思わず『終わった…』と思いました。虫が得意ではないので、かなり驚きました」と、振り返る。
こちらのクモが「じつは益虫」ということを知っていたため、「できれば共存した方が良い」と思っていた山田さん。しかし、やはりどうしても放っておけず、息子の虫取り網を駆使してなんとか捕獲し、そっと玄関の外に逃したそうだ。
なお、こちらのクモの正体について、日本蜘蛛学会の担当者からは「写真なので断言できませんが、アシダカグモかと思われます」との回答が得られている。
その特徴は「徘徊性(網を張らない)のクモとしては、最大サイズに近い種です。 室内でもよく見つかり、見つかると驚かれ、実体以上に大きく見られることが多いようです。しかし、体長(足をいれない体の長さ)は3cmほどで、足を広げても12〜14cmです。また素早い動きに驚いて『襲われた』とおっしゃる方もいらっしゃいますが、基本的に臆病な性格なので、ヒトを襲うことはありません」とのこと。
人間が捕まえようとして掴み、噛みつかれてしまうケースは起こり得るかもしれないが、それはクモからすれば「正当防衛」と言えるだろう。
■「ゴキブリを駆逐する戦士」
その見た目から、他のクモ同様「不快害虫」であるとも言えるアシダカグモ。しかし、日本蜘蛛学会の担当者は「ゴキブリなどの衛生害虫を捕獲するので、益虫と考えて良いと思います」と、断言している。
「アシダカ軍曹」という呼称についても「『ゴキブリを駆逐する戦士』ということで付いた異名のようです」と、説明してくれた。

なお、ゴキブリの捕獲効率も高いと言われているアシダカ軍曹だが、屋内での生息数に限りがあるため「ゴキブリ類の決定的な天敵とまではならない」とする文献もあるそうだ。
ゴキブリ、ハエ、蛾などのエサを捕える際は網(いわゆる蜘蛛の巣)を用いずに獲物を待ち伏せし、近づいてくると足で抱え込んで噛みついて捕獲する、豪快でストロングなスタイルも、軍曹の魅力のひとつだろう。
■「アシダカグモがいる=ゴキブリも沢山いる」は本当?
非常に頼れる存在だが、「家でアシダカグモを発見する」ことを、不吉に感じる人は少なくない。「アシダカグモがいるということは、家の中に大量のエサ(ゴキブリ)が潜んでいるのでは…?」と、考えてしまうワケだ。
しかし、こちらの説について日本蜘蛛学会の担当者は「私は初耳です」と、目を丸くする。
続けて「エサがいなければ、捕食者であるアシダカグモは生息できないため、アシダカグモがいる=何らかのエサ(ゴキブリとは限らない)がいる、という図式は成り立つと思います。しかし『ゴキブリが大量にいる』とは限らないかと思います」と、分析をしてくれた。
室内にアシダカ軍曹が現れても、それは決して「大量のゴキブリ」の確定演出ではないので、安心してほしい。
今回取材に応じてくれた日本蜘蛛学会は、世界初の「クモの専門学会」として、1936年(昭和11年)に設立された歴史ある学会。現在はクモの他、近縁なサソリやダニ、また多足類(ムカデ、ヤスデ)、クモの捕食者(ハチ)などを研究する人々も参加しているそうだ。
担当者は「大学などの研究機関に所属する会員ばかりではなく、下は小学生から、上は定年された方まで、様々な方が所属しています」ともコメントしている。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)




