山田洋次監督が撮影前にスタッフと必ずしている“あること”を明かす 「1番遠い…」
おん年93歳の山田洋次監督がドキュメンタリー映画を撮るなら清掃員が主役?
『男はつらいよ』シリーズでおなじみ、日本の巨匠・山田洋次監督が、1日、東京ミッドタウン日比谷のLEXUS MEETS…にて、「タル・ベーラ×山田洋次特別鼎談~タル・ベーラ監督TIFF特別功労賞受賞記念~」に登壇。
残念ながらベーラ監督は、体調不良で欠席となってしまいましたが、ベーラ監督の教え子である小田香監督、脚本家の高崎卓馬さんらと共に、ハンガリーの巨匠談議に花を咲かせました。
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■ハンガリーの鬼才
タル・ベーラ監督は、1955年、ハンガリー生まれのハンガリーが誇る大家。2011年、馬と共に暮らす農夫と娘の生活を描いた『ニーチェの馬』が、ベルリン国際映画祭銀熊賞 (審査員グランプリ)と国際批評家連盟賞に輝くなど、高い評価を受けましたが、本作をもって映画監督引退を宣言。
以降、サラエボに映画学校「フィルム・ファクトリー」を設立するなど、後進を育てることに注力しています。
■巨匠が描くそれぞれの「家族」
イベントの中で、山田監督は、映画の撮影に入る前、スタッフみんなで映画を観ることを習慣にしていると告白。選ぶ作品は、自分の映画とは「一番遠い映画」。つまり自分が思いつかないような、自分とは違うスタイルの作品を選ぶということなのでしょう。
じつは2013年に公開された『東京家族』の撮影前には、ベーラ監督の『ニーチェの馬』を鑑賞したとか。『東京家族』は、東京で暮らす子供たちの元へ、老夫婦がやって来る物語ですが、巨匠がそれぞれ描く「親子」に、何か共通点があるのかもしれません。
■山田洋次的ドキュメンタリー
そんな山田監督は「もしドキュメンタリー映画を撮るとしたら?」の質問に対して、「ドキュメンタリーは困っちゃうんだけど」と前置きしてから、「例えば、東京国際映画祭のドキュメンタリーなら、ここで働いている掃除をする人」の視点から描くかもしれないと述懐。
昨年2023年には、『こんにちは、母さん』が公開になるなど、精力的に活動を続けている山田監督は、おんとし93歳。山田監督の清掃員を主人公にした新しい作品の誕生に期待したいところです。
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(取材・文/Sirabee 編集部・尾藤 もあ)