「中村剛也引退」と誤認するファン続出で物議 記事タイトルに問題はあったか
埼玉西武ライオンズ・岡田雅利選手が引退。その報道でとある物議が…。
埼玉西武ライオンズ・岡田雅利選手が今季限りで引退することを3日、各スポーツメディアが報じた。
そんな中、とあるニュース記事を見たファンが“中村剛也選手(写真)の引退”と誤認する事態が発生。ネット上が荒れている。
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■「岡田選手」引退報道
ライオンズ一筋12年、堅守に加え小技もできるムードメーカーとしてチームに貢献してきた岡田選手。近年は度重なる故障に泣き、一軍復帰目指して懸命にリハビリを続けてきたがここ2年は出場試合がなかった。
3日に岡田選手は引退を決断。各社そのニュースを報じる中、とあるスポーツメディアは「中村剛也が今季限りで引退決断の岡田雅利をねぎらい『本当によくやった』」というタイトルで岡田選手引退に触れた。
■読者は「中村選手」引退と誤解
物議を醸したのはこの記事タイトル。
戦友である中村選手が岡田選手をねぎらった、という内容だが、一部のファンはタイトル冒頭だけと読み“中村選手の引退”と早合点してしまい「タイトル見間違えて一瞬血の気が引いた」「狙っている」「紛らわしい」と、指摘したのだ。
X上では「今季限り」がトレンドワード入りしたほか、「中村剛也」というワードもトレンドに。引退というファンにとってはセンシティブな事柄とあり、今なお「やり口が汚い」「洒落にならん」と、怒りのコメントが続く事態となっている。
■記者の勝手な考察
なぜこのような紛らわしいタイトルになったのだろうか。
昨今、各社ニュース記事のタイトルは、「35文字前後」「冒頭に重要なキーワード」を入れるのがアクセス獲得の“定説”となってきた。記事は自社サイト以外にも配信されるため、各配信先での表示も考え文字数を制限するのだ。
そして、読者はタイトルを目で追いながら「興味を持つ記事か否か」を瞬時に判断して、クリックするかスルーするかをコンマ数秒で決める。
それゆえ、タイトル冒頭には記事メインの対象(人物や物)などパワーワードを据え、読者の興味を引く必要がある。今回、記事を上げたメディアはパワーワードであるライオンズの現役レジェンド・中村剛也を頭に持ってきた。
■本来は…
今回のケースは、その型にはめたタイトルだったが、「中村剛也が今季限りで引退決断」という“衝撃的一文”だけが読者の目に飛び込んでしまう結果になった。
読者をミスリードさせないためには、「中村剛也、今季限りで引退決断の岡田雅利をねぎらい『本当によくやった』」と格助詞「が」を「、」にするか、「岡田雅利が今季限りで引退、中村剛也もねぎらう『本当によくやった』」と前後の主述を入れ替えれば解決する。
書き手として数秒で改善案が浮かぶこのことを怠っていては、読者に「意図的」と思われてもおかしくはない。読者にとってわかりやすいタイトルを心掛けたいものだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)