アプ活で出会った史上最高年齢の音楽プロデューサー 65歳が“厨二病”になる瞬間にドン引き
マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・こいでまほが、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。
ものまね芸人・こいでまほがリアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 婚活ダイアリー』。
「なるほど、まほちゃんが輝くキーがわかった」。「さっきの曲、キーを3つあげてみな」史上最高年齢65歳の彼は音楽プロデューサーでした。ランチデートが歌のオーディションと化していました。このときは、とても楽しかったのですが…65歳男性の人格が変わるところを見てしまい…
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■デビュー曲完成?
楽しかったぁ…カラオケはやっぱり好きだし、勉強にもなったなぁ。キーが高い曲が向いてるとか笑顔で歌ったほうが良い声になるだとか。おもしろかったけど、お付き合いするとなると元カレえびおくん超えはしてないし…ないでしょう。
次だ次。今、私は「いいね」をいただけたら誰とでも会うゾーンのなかにいる。1人に時間をかけない。それがマッチングアプリっていうものでしょう…と思っている数週間後、また思ってもいない展開となるのです。
ある日、65歳の音楽プロデューサーから「これ、聴けるかな?」とLINEが来ました。大きい容量のデータを開いてみると、ギターの音と、もうだいぶ編曲されているメロディが流れてきました。「これ、まほちゃんにピッタリかなって」。これはもしや…私のデビュー曲? ポップな明るいメロディ。いや、オーディションは真剣にやったけど、まさかデビュー曲そんなすぐ作るなんて思ってもいなかったというか…「他にも楽曲あるけど、とりあえずさっきの曲からレコーディングかな、まずはライブハウスで歌ってみるのもありだね」。
一旦落ち着いてもらわないと。曲の素晴らしさは伝え、事務所の許可がないと動けないこと、お笑いが本業なので時間が取れないなど、ありきたりな文を送りました。すると「そうだよね、とりあえず、またご飯でも行こう」と、LINEは終わりましたが、モヤモヤが残りました。
歌は真剣に歌ったとはいえ「オーディションコントかと思いましたー!」なんて言えない。これは茶化したと思われても仕方がない。私が悪い。正直に謝って許してもらおう、そして、もう会わないと言おう…。彼に会いに行きました。ご飯だと罪悪感があったのでお茶の時間帯にしました。
■次のデート?
65歳の音楽プロデューサーは、笑顔で迎えてくれました。まずは、真剣に謝らないと。「カラオケでは本気で歌いましたし、すごく楽しかったのですが、やはりお笑いを頑張ってから歌は機会があればやりたいなと…なので今はデビューなどはできなくて…」。
謎に歌手の可能性を残し、デビューはお断りしました。すると「大丈夫だよ、僕もすごく楽しかったし♪」と全く怒らないどころかご機嫌な様子。ひと安心。やはり大人。器がでかい。ところが…「まほちゃん、次はどんなデートする? 仲間たちにも会わせたいし…」。
私はすっかり忘れていました。そうだ、これは歌のオーディションじゃなくて、マッチングアプリで出会ったんだった。恋愛したくて彼は私にいいねを送ってくれてわざわざ会いに来てくれてたんだ。この先がないことを言わなくてはいけない。本番はこれからだ…。
「温泉とかも行きたいね♪」 早く言え! 心の中でそう言いながら自分のケツを叩きました。「ごめんなさい、デートはすごく楽しかったのですが、私は結婚もしたいですし、お付き合いするとなると未来が見えないと思いました、なので恋愛とかはなしで、また歌の機会があれば…」。
また謎に歌の未練を残してしまいましたが、すべて伝えられました。これで、丸くおさまるかと思いきや、彼の様子が変わりました。彼は黙って笑った顔のまま引き攣っていました。
■「大人」から急に…
「ちょ、ちょっと、ちょっと、なにマジメになっちゃってんのー? べつにこっちも付き合ってとは言ってないよ」。さっきまで器のでかい大人だった人が、急に変わるところを見ました。それは、言っちゃ悪いですが、厨二病のようでした。「だってさぁ~こっちもいるもん、他にも。いいなって思う女の子、まほちゃんの他にもさぁ、正直、デートしている人、います!」。
私は彼のプライドを傷つけてしまった? なにか地雷があったのかもしれません。人ってこんなふうになってしまうのか。「なので、ご心配なくー♪ 友達ってかんじで誘っただけだよ」。そうなんですね…としか言えず、もう帰りたいと思いました。帰りたいどころかLINEも全て消したい、デビュー曲も葬りたい。
御礼を伝えて、忙しいフリをしてすぐに解散しました。バチが当たったのかもしれない…。あまりにも人に対してテキトーだった…。反省。ごめんなさい。