刺激することで糖度がアップした例も… 一部の人しか知らない果樹の「ツボ」とは
ツボを押して糖度を増したブランド桃がふるさと納税の返礼品に…?
人間だけでなくどうやら果樹たちも、ツボ押しして健康促進することで甘い果実を実らせてくれるようだ。そのことを知っている人は、ごくわずかのようで…。
■果樹には押すと甘くなるツボがある?
Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女739名を対象に実施した調査では、「果樹には押すと甘くなるツボがあることを知っている」と回答した人は、全体で5.9%ほど。
なお男女別に見ると、男性は6.5%、女性は5.3%という結果に。
■木にもツボがあるとは初耳
編集部が話を聞いた40代の男性は、「木にもツボがあるとは初耳です。でも、ワインにクラシックを聴かせたり、花に綺麗だと声をかけたりすると良いと聞いたことがあるのでそれと似たようなものなのかな…」と述べた。
果樹のツボ押しというと不思議だが、日照や養分によって元気にもなれば、病気にかかることもあると考えると、「あぁ、なるほど」と思えてくる。
■「ニードル農法」を導入する農園も
押すと果実が甘くなるという“木のツボ”とはいったい何なのか。木の内部には僅かな電流が流れており、電圧が最も高い場所が“木のツボ”なのだそう。普通の桃と比較してツボを刺激した桃の糖度は実際に数値として高い値を示したという。
この“木のツボ”への刺激は「ニードル農法」として実際に導入している農園もある。和歌山県の八旗農園では、「植物のツボ(高電位箇所)を特定し、ネジを打ち込んで微弱な電気刺激を与えることで、植物内の様々な細胞が活性化する」というツボ押しの効果を期待し、日本で初めてこの農法による桃の栽培を開始した。
この「ニードル農法」で栽培した桃の中で、さらに独自の基準を満たしたものを「満天桃」としてブランド化したところ、紀の川市のふるさと納税の返礼品に採用されたほか、高級スーパーや百貨店で取り扱われ、贈答品としても人気だという。
■枯れ防止や成長促進にも
「ニードル農法」の特許を取得した日本振興によると、八旗農園での桃の栽培以外でも、ぶどうや梨、マンゴーなど、それぞれの地域で「ニードル農法」を用いた果実の栽培が行われているそうだ。また、果物以外にも松枯れの抑止や松苗の成長促進などでも効果を発揮しているという。
物言わぬ樹木だが、ツボを刺激されて元気になり、生き生きと甘い果実を実らせていると思うとなんとも健気でかわいらしい。そして改めて、日々こうした手間暇をかけておいしい果物を生産している方たちに感謝だ。
・合わせて読みたい→『岩下の新生姜』社長はなぜ都知事候補・ひまそらあかね氏を応援する? その理由を直撃
(文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女662名 (有効回答数)