大量発生のカメムシ、和歌山の梅に与える被害にショック 商品価値が下がる恐れも…
各地で猛威を振るうカメムシ。和歌山県の梅にも深刻な被害をもたらしているようで…。
■大量発生の原因は…
和歌山県うめ研究所では、夜間に乾式予察灯を点灯させ、その中に誘殺されたカメムシの数を計数しているという。和歌山県うめ研究所の担当者は、「4月下旬の誘殺数が非常に多く、4月の果樹カメムシ類の誘殺数は直近10年間の数値の中で最も多かったです」と話す。
各地で猛威を振るうカメムシ。なぜ、今年は大量発生しているのだろうか。
担当者は、推察される要因に関して、「昨年の夏以降に発生したカメムシが多く、それらの多くが成虫で越冬したためであると考えられます。実際に行った調査でも、チャバネアオカメムシの越冬量が例年よりも多かったです。カメムシは夜行性なので、夜温が高いと活発になり、果樹園にも飛来し、果実に被害を与える恐れがあるので、注意が必要です」と、説明する。
こうした状況を受けて、和歌山県農作物病害虫防除所は3月下旬に病害虫防除技術情報、4月下旬に注意報でカメムシによる被害の注意を呼びかけたという。
■梅への被害にショック…
担当者によれば、特に果実に被害を与えるカメムシは、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種類。クサギカメムシは和歌山県ではあまり発生しないが、チャバネアオカメムシとツヤアオカメムシの2種類が加害しているという。
カメムシによる梅への被害に関して、担当者からは、「カメムシは種から養分を吸汁するため、種を吸汁しようとしますが、南高梅等の果肉の厚い品種では種まで口針が届かず、ヤニ果(果実からゼリー状の樹脂のようなものを吹き出すこと)を発生させます。一方、小梅では吸汁されるとカメムシの口針が種子まで届いて、そのまま落果してしまいます」という回答が寄せられている。
こうした被害を受けると、出荷基準によって多少異なるが、梅の商品価値が下がる恐れがあるという。暖冬に加えて、カメムシの被害も受ければ、梅農家にとって大打撃となりかねない。
暑くなり、夜の気温が上がれば、カメムシがさらに活発化し、果実に被害をもたらす可能性が高まる。今年は、カメムシの対策が欠かせなくなりそうだ。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『95』(テレビ東京系)、『Believe─君にかける橋─』(テレビ朝日系)、『イップス』(フジテレビ系)、『アンチヒーロー』(TBS系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)