『Aeruta(アルタ)』プレイレビュー キツネ耳少女のダンジョン探索+パン屋経営アクションゲームが素晴らしいので皆に遊んでほしい

登場キャラが全員かわいい、繊細なドット絵とどこか懐かしい音楽が魅力のパン屋経営アクション『Aeruta(アルタ)』を遊んでみました。

■メリハリの効いたアクションバトル

ダンジョン探索パートで行う戦闘についてですが、私が遊んだバージョンでは2種類の武器、鞭と麺棒のような鈍器を使用することができました。

それぞれ戦闘スタイルが大きく変化し、鞭は素早い連打と長いリーチ、麺棒は重たい一撃と広範囲を巻き込む大技、といった違いがあります。

数多くの敵を一度に攻撃可能、迫力のある戦闘が楽しめる麺棒。

私はドライブスキルで敵を長時間拘束できる鞭をメインに使っていましたが、どちらも一長一短あり、またどちらも触っていて楽しいバランスになっています。

鞭は遠く離れた敵を引き寄せたり、スピーディなバトルが特徴。

ストーリー冒頭でチャヤが武器を拾う場面には、もう一つ未知の武器が映っています。まだ使用することができないようですが、今後の実装が楽しみです。

画面に映っている武器は3種類。どうやら今後追加予定のものもあるようです。

ダンジョンに入るとまず、ルートを選ぶ必要があります。木材が欲しければ木のアイコン、歯ごたえのある戦いがしたければ強敵のアイコンを選びましょう。

各ステージは短いエリアに区切られていて、終点の出口にたどり着くことで次のステージに進みます。

各エリアの最後には出口があります。

エリアの道中には食材を落とす敵だけでなく、間欠泉や落石などのトラップが仕掛けられているため、のんびり探索、というわけにはいきません。

敵との戦闘も、ただ攻撃ボタンを連打しているだけでOKとはならず、こちらの攻撃の合間に反撃してくるので、ダッシュの無敵時間を使って上手に立ち回ることが重要になります。


本作ではダッシュの無敵判定中に敵や弾に接触することで、その攻撃を一度、完全に無効化することができます。

使用感としてはソウルライクアクションにおけるパリィに近いですが、実際には無敵時間が長くかなり性能が良いので、アクションパートの要になります。移動も兼ねているので積極的に使いましょう。

敵の弾は、むしろダッシュで当たりに行くことで安全に無効化が可能です。

逆に、このダッシュを行わずに漫然と攻撃ボタンを連打しているだけでは手痛い反撃を食らうほか、前述のトラップと合わせてダメージがどんどん蓄積していってしまいます。

一回の探索中に使える回復の手段や回数は限られているので、どれだけ体力を温存した状態で進めるかが安定した周回には欠かせません。

冒険で得たすべての食材はやられても持ち帰れる親切設計。

とはいえ、敵にやられてしまうことによるペナルティはないのでご安心を。

探索の途中で力尽きてしまっても、道中で拾った全ての素材を持ち帰ることができる優しい設計になっているのはうれしいですね。

巨大なボスとのバトルは迫力満点。倒せば大量の食材をゲットできます。

ダンジョンの最深部にたどり着くと、強大なボスとの闘いが待っています。

ボスの攻撃は苛烈ですが、特徴的な予備動作をうまく見切って、連続攻撃を叩き込みましょう。

晴れて撃破することができれば大量の素材のほか、時にはレアなパンの素材を落とすことも…?

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■パン屋経営は楽じゃない?

探索パートで集めた素材を持ち帰ったら、次はパン屋で帰りを待つイーフィに、お店で出すパンを焼いてもらいましょう。

必要な素材が集まっていたら、新しいパンを開発することもできます。

お店で出すパンを選んだらいよいよオープンです。パン作りはプロであるイーフィにお任せして、プレイヤーはチャヤとして、お客さんの対応に専念しましょう。

焼いたパンを棚に並べるのも仕事のうち。棚にパンが無ければお客さんは帰ってしまうので、迅速な補充はかかせません。

焼きあがったパンは陳列棚へ。頭の上に乗せて運ぶ姿がかわいい。

また、お客さんがレジでパンを購入する際には、上下左右キーを使ったミニゲームが始まります。

パンの種類が少ないうちは簡単なのですが、1人あたりの購入数が増えてレジに長蛇の列ができはじめると、これが結構焦ってしまうんですよね。

簡単なミニゲームですが、数が増えるとそれなりに大変に…。

そして、たくさんパンが売れたということは、すなわち棚からパンが消えているということなので、再び補充を行う必要があります。

イーフィは棚が空になってから追加のパンを焼くため、常にパンの在庫に余裕を持たせておくことはできず、店内はいつも鉄火場のような忙しさです。

おまけに、お客さんは時々お店の中にゴミを捨てていくため、掃除しないで放っておくと、どんどんお店が汚くなってしまいます。

気が付くと床がゴミだらけに。お客様とて許せぬ!!

これらすべてを完璧にこなそうとするとかなり忙しく、場合によっては探索パートよりも緊張感があるかもしれません。

ただ、こういう経営ゲームで見かける「期日までに借金を返せなければゲームオーバー」のような縛りは無いのでご安心を。お店をゆるーく経営するのもいいですし、初日から最高効率を目指すのもプレイヤーの自由です。

私は床におちたゴミがどうしても気になってしまうのですが、拾っているとレジが間に合わないことも。お掃除ロボットがほしい…。

日によってパンのニーズは変化します。売れ筋のパンを見極めましょう。

ちなみに、各パンには「カチカチ」や「さわやか」などのラベルと呼ばれるジャンルがあり、日によってお客様のニーズが変化し、ニーズに合ったパンは多く買われていく上に、売上にボーナスが追加されます。

普段からパンの材料を大量に貯めておいて、よく売れる日を狙えば一日で大金を稼ぐのも夢じゃありません。

たくさん売れると実際うれしい。イーフィもお客さんもみんなニッコリ。

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■キャラの魅力についてまだまだ語りたい

さて、本作を語る上で、ストーリーを彩る魅力的なキャラクター達の話題は避けられません。

まず主人公のチャヤは、キツネ耳のかわいらしい外見だけでなく、明るく元気で前向きな性格はまさに主人公という感じ。

まだまだ見習い冒険者のチャヤですが、優しい勇者の資質を秘めています。

多少ドジな面もあり、冒険者ギルドの依頼が絡むと無茶をしがちですが、自分が理想とする「勇者」になるために必要な資質と、困っている人を見かけたら放っておけない善良さを持ち合わせています。

寝床をふみふみしてから寝るキツネモードのチャヤ。ほかのキャラクターも寝るときは動物に戻ってる…ってコト?

お店では就寝時にキツネの姿に戻るのですが、ここのモーションが非常に細かく、特に布団をふみふみするところには開発者の強いこだわりと愛情が込められている気がします。

次にイーフィですが、パン屋をオープン前日に破壊されてしまった悲劇のキャラでありながら、感情表現が豊かで、コロコロと変わる表情や仕草を見ているだけでも飽きません(ちなみに子グマだそう)。

とにかくよく動き、見ているだけで楽しいイーフィ。

当初はこの世の終わりが来たかのよう絶望していたものの、チャヤとのコミュニケーションやお店の再建を通じて落ち着きを取り戻し、持ち前のパン作りの技術で街の人々を喜ばせます。


ストーリーが進むと、チャヤと二人で街の大きなイベントもこなすようになり、その頃にはお互いに信頼関係も生まれ、すっかり「相棒」と言える存在になります。


他にも、オーブンを直し、お店の再建を手伝ってくれるヒツジ角の少女ボリオは、口数少なく世間に疎いものの、腕前は確かな大工さんとして二人をサポートしてくれます。

彼女に依頼することでボロボロだったお店は少しずつ元通りになり、爆発する前の姿を取り戻していきます。

また、騎士団所属の褐色お姉さんシヴァは、ちょっと天然なところもあるものの実直な性格で、「ほめて伸ばす」教育方針でチャヤに様々なスキルを授けてくれます。

この二人もかなり重要な役割を担っていて、ボリオはお店を元通りするだけでなく、町の様々な施設を建築・強化することで、間接的にお店の集客力がアップします。

さらにここで騎士団の施設を解放しておけば、シヴァのトレーニングを受けることが可能になり、体力や攻撃力などの基礎ステータスを鍛えたり、武器ごとの固有スキルを覚えることができます。

これらを活用すれば、その後の冒険がグンと楽になります。敵が落とす素材の量も増えますので、真っ先に解放することをオススメします。

まるで推しのアイドルのように、女神様を慕う街のウサギたち。

他にも、街に住むウサギたちはみんなパンが大好きで、お店でお気に入りのパンを見つけた時のリアクションはかわいいの一言に尽きます。

しかもストーリーを進めていけば、彼らが大好きなウサギの女神様と交流することも可能みたいですよ。


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■正式リリースが待ちきれない

さて、今回紹介した『Aeruta』ですが、美麗なドット絵と骨太なアクション、そしていたるところにかわいさが詰まったゲームとして、幅広い層に受け入れられそうなポテンシャルを感じます。

ちなみに、私個人としては本作のアートスタイルや音楽からはどことなく「ラグナロクオンライン」や「テイルズウィーバー」など、往年の2DMMOゲームの雰囲気を感じました。

なので、もしかしたら私同様に00年代にMMOで遊んでいた人には、どこか懐かしさを感じる作品になるかもしれません。

現バージョンで遊べるところまでは遊びきってしまったのですが、アーリーアクセスが終了したらまた改めて記事を書きたいくらい面白かったです。製作者様、素晴らしいゲームを本当にありがとう…。

そんなわけで、本作はパリィ系のアクションゲームが好きな人や本作の美術や音楽が突き刺さった人、あるいはちょうどケモミミ少女になってパン屋を経営したいと思っていた人にオススメの一本です。


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(文/Sirabee 編集部・幽霊坂ゆらぎ

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