『虎に翼』優三の生存にまつわる通知書 ラスト1分で見えた“ある事実”が「残酷すぎる」
朝ドラ『虎に翼』で、伊藤沙莉演じる寅子が、父・直言(岡部たかし)が隠していた優三(仲野太賀)にまつわる1枚の紙に気付く。そこに書かれていた“日付”に視聴者のあいだで衝撃が広がった。
■写真立ての裏に隠されていたのは…
終戦後、寅子らは父・直言(岡部たかし)の知人から融通してもらったマッチ製造の仕事を受けてしのぎながら、音沙汰のない優三の帰りを待っていた。
終戦から1年が過ぎた昭和21年10月のある日、直言の体調が悪化して倒れた拍子に、飾られていた写真立てを落とし、寅子は写真の裏に隠されていた1枚の紙に気付く。優三が中国・遼寧省方面で戦病死したことを知らせる告知書で、死亡した日は昭和21年4月25日、告知書の日付は同4月30日となっていた。
■「もう終わっているのに…」「残酷すぎる」の声
「戦病死」は、兵士が戦闘行為によって死亡する戦死ではなく、軍事活動中に病気で命を落とすことを指し、戦争に関連して死亡する戦没に含まれる。優三が配属されていた遼寧省は「旧満州」で、戦後の引き揚げが本格化したのは昭和21年夏ごろからだった。
この日のラストで明らかになった事実に、Xでは「優三さんの戦病死の年が昭和21年て、戦争自体はもう終わっているのに…」「戦死通知に書かれた日付を見るに終戦後数ヶ月は優三さんは生きていたんだね…たとえその後死別したとしても会いに行けたかもしれない、という事実が残酷すぎる」「せめて病気になったときに教えてくれたら会う機会があったんじゃないかと思うんだけど、兵士一人の人生をどれだけ雑に扱ってるかだよな…」と衝撃が広がった。
■父の心情を理解する人も
また、直言が告知書を隠していたことに、「知ってて写真立ての裏に隠してあった(さすがに捨てられなかった?)ことになる。そんな心労まで抱えてたら病状悪くなるよ」「直言さん、この死亡告知書、4月30日付けじゃん! 半年も隠してたの? 永久に隠すつもりだったの? 寅子と優未ちゃんに永久に優三さんの帰りを待たせるつもりだったの!」との声も。
一方で、「見方によっては大層腹立たしいような気もするけれど、愛娘の悲しむ顔を見たくないという気持ちも理解できてしまう」「もちろん良くないけどあの寅ちゃんを愛してやまないお父さんがどうしてそんなことをしたのか…それを考えるとその心情に泣けてしまう…」とのコメントもみられた。
■「2、3ヶ月生き残っていたら…」
さらに、優三が終戦後に命を落としたことに「戦争末期にはよくあった話」として、「 広報は戦病死だが、大半は『餓死』」「ソ連が撤退した1946年6月から…中国国民党による日本人(日本兵や満州開拓民)の引き上げが…開始する。あと、2ヶ月だった。奇しくも、直道も、優三も、あと、2、3ヶ月生き残っていたら、と考えると…」との指摘もみられた。
「1人で亡くなっていったであろう優三さんを考えてしまう。寅ちゃんの変顔を思い出したりしてたのだろうか」「あの優しい人が戦場でどれだけ心を痛めてきたか。緊張ですぐにお腹を壊してしまうくらい繊細な心と体にどれだけのダメージを受けてきたのか」「トラちゃんの愛おしい変顔を思い浮かべながら必死に苦しみに耐えてきたのか。それなのに帰れなかったのか」と戦地の優三に思いを馳せる人も見受けられた。
・合わせて読みたい→マジかよ…ゴジラが東京競馬場に上陸 作戦隊長にやす子が就任!?/PR
(文/Sirabee 編集部・しばたけろこ)