完全に時間停止している「超変則的」食堂、深夜0時に食べるカレーの味が激ウマで…
東京スカイツリーの下にある幻の食堂。観光客が簡単に行けない営業時間で開店しており…。
■衝撃価格のカレー
この店は根強いファンが多い。薄っぺらい“エモい”“昭和レトロ”という言葉では表現できないほど重厚かつ懐かしい空気が漂っており、ネットでは「R45」と推奨年齢を代弁するファンもいる。
メインメニューはカレーライス(300円)と讃岐うどん(500円)。カレーは一杯300円という衝撃価格だ。
にも関わらず、スープのよう飲む用なのか「カレールー」なるメニューは500円とところどころ謎も潜んでいる。その他、酒類やつまみのキムチやハムエッグなど、すべては壁を見てメニューを確認する。
営業時間の謎をご主人に聞くと、「近くにタクシー会社があって、仕事上がりのドライバーさんたちが飲んで行くんだよ。座敷席で休んだり、食事しながら談笑したり。そこにある洗濯物はドライバーさんに頼まれた物。代理で出してあげている。早く取りにこないかなぁ」と、嬉しそうになんでも話してくれる。
■怪しい“金庫”の正体
ご主人は「僕は王(貞治)さんと同い年。83歳。最近は面白い店とTVなどで紹介されて若い人も来てくれるんだよ」とも教えてくれた。
そして件のカレーは、じつに濃厚で美味。具材から旨味とコクがしっかり出ており、スパイスとのバランスも最高。トロトロというよりドロドロに近い口当たりで、ピリッとくる辛さがアクセント。
具材には肉や玉ねぎなどの他、しいたけを使うのがポイントだとか。
大量に煮込んでから冷蔵庫で寝かせてコクを出すらしい。あまりの美味しさに大盛りにすべきだったと後悔しつつも、ハムエッグを追加で食べ腹八分目でフィニッシュ。
食べ終わり会計をしようと立ち上がると、古い金庫らしき物が目に入った。
見ているとご主人、「これなんだと思う!? じつは昔の冷蔵庫なんだよ。大きな氷を入れて使ったんだ。今は戸棚として使っているけどね(笑)。ほら」と中を開けて見せてくれる。
昭和、平成、令和と歴史を刻んだキクヤ。ここでしか体験できない唯一無二の空間が確かにあったのである。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)