完全に時間停止している「超変則的」食堂、深夜0時に食べるカレーの味が激ウマで…
東京スカイツリーの下にある幻の食堂。観光客が簡単に行けない営業時間で開店しており…。
インバウンド効果も相まって、連日観光客が大挙して訪れる首都のランドマーク「東京スカイツリー」。その“麓”に昭和のまま時間が止まってしまったかのような、…否、たぶん完全に止まっている超レトロな食堂がある。1948年創業の「キクヤ」だ。
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■深夜0時に開店
東武「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩3分。スカイツリーまでは約100mの場所にある「小梅通り西交差点」にキクヤはある。
入口は電灯で明るく照らされているものの、のれんが半分ひっくり返っている、さらには店頭ショーケースの照明がないせいで、営業しているかどうかちょっとわからない雰囲気を醸し出している。再開発が進んだここ押上エリアでは、明らかに外観が異質だ。
同店は、深夜0時開店、14時閉店という超独特な営業時間で続けてきた変則店。それゆえ記者は長年同店オープン時間に行きたいと思っていたが、終電の関係で行くことができなかった。まさに砂漠の遥か向こうに見えるオアシス的な幻の店なのである。
■映画のワンシーンに入り込んだかのよう…
この日は車を借りて深夜0時に同店へ。入口から足を踏み入れると、そこには別世界が広がっていた。
机も椅子も懐かしいデザインで、壁に貼られたメニューはすべて手書き。喫煙可ということもあってか、店内ほぼすべての物が長年の紫煙のせいで茶色に色づいており、セピア色に彩られた映画を見ているかのようだった。
「はい、いらっしゃい。お一人さん?」とご主人が出てきた。「外は寒かったでしょう。どうぞ好きな場所に座ってよ」と笑顔で語りかけられ、瞬時にお人柄の良さを感じた。