妻の首から下に違和感、夫の一言にギョッとしたが… 「最高の夫婦」と話題に

妻の服装を見た夫が、思わず「キムワイプやん」と一言。日本製紙クレシアも「キムワイプにしか見えない」と認めている。

■キムワイプ、聞けば聞くほど謎が深まる…

投稿の経緯について、しらほたさんは「朝の支度をして着替え終わった妻を見て、ひと目で『キムワイプやん』と思いました」と振り返る。

キムワイプ

こちらの服(キムワイプ服)は下ろしたてではなく以前にも何度か着ていたもので、しらほたさんも「なぜその日だけ、キムワイプという印象を受けたのかが不思議です」と、首を傾げていた。キムワイプを知らない妻に写真を見せると「あぁ、確かに似てるかも」という反応が返ってきたそう。

自身とキムワイプの思い出について、しらほたさんは「高校時代は化学部に所属しており、部活でしばしば使用していました」と説明しており、どうやら「理系」と関係の深い製品なのだろう。

しらほたさんは続けて「キムワイプの空箱で卓球をする人たちによる『国際キムワイプ卓球協会』(KTTA)という組織があり、化学部のOBが高校に来たときに、その会員証を見せてもらったのが印象深いです。学生証のようにしっかりした素材でできた会員証で『随分と凝ってるな』と感じたのを覚えています」と、摩訶不思議な説明をし出し、この辺りから「キムワイプ」という存在が記者の理解を超え始める。

「そういった団体があるほどに、キムワイプは理系の間で一定の支持を集めながらも、知らない人は全く知らないという、理系あるある的な存在だと思っていました」というコメントが、じつに印象的であった。


関連記事:若槻千夏、“誰にも憧れられていない苦悩”を明かす 「私がいないとこで…」

■メーカー「ザラッとして硬いティッシュ」

「理系に愛用されている」「空箱で卓球ができる」という有力な情報を携え、クレシアに話を聞いてみる。

すると、キムワイプの特徴について「一言でいうと『ザラッとして硬い、羽毛が出にくいティッシュ』です」「羽毛立ちや紙粉が少なく、拭き取り後も繊維が目立たない、紙ワイパーとなります」との回答が得られたのだ。

キムワイプ

キムワイプを語る上で、この「ザラザラ感」の話題は外せないという。

クレシア担当者からは「キムワイプは主に、大学の研究室で初めて触れる機会が多く、見た目はティッシュの半分ほどのサイズ感です」と説明する。「『ミニサイズのティッシュなのか?』と思って触れた瞬間に感じるのは、ティッシュとは全く違うザラザラ感と硬さです。人生で触れたことのない感触にハッとさせられることにより、強い印象を植え付けます」と、いささか思想の強いコメントが飛び出す。

キムワイプのザラザラした質感は「鬼クレープ加工」の賜物で、クレープとは「シワをつける加工」を指す。こちらの加工により、吸水性を良くし、吸収したものを逃しにくくする効果が備わるのだ。

そして、キムワイプ最大の特徴は「不変であること」だという。飲食物や衣類を筆頭に、この世の多くの製品はトレンドや社会情勢、時代のニーズに合わせてマイナーチェンジを繰り返していく。

しかし、クレシア担当者は「キムワイプのスペックや性能、品質を変えてしまうと、実験の数値などに直接影響が出てしまうため長年にわたり、あえて性能と品質は変えていません。また、多くのマニュアルにもキムワイプは頻出しているため、スペックの変更などはせずにいます」と断言。

「変わらないこと」が真に求められていると理解した、製紙メーカーとしての矜持が感じられるスタンスではないだろうか。


関連記事:マツコ、『月曜から夜ふかし』で”電話離れしない上司”を嫌う女性に驚き

■キムワイプくん、見直したぞ…!

そんなキムワイプの誕生は、今から半世紀以上前に遡る。

クレシアの担当者は「当社の技術提携先である『キンバリー・クラーク社』が、第二次世界大戦中に光学レンズの拭き取りの製品を開発したのが始まりでした。日本では1969年(昭和44年)より『キムワイプS-200』を発売し、国内ほとんどのラボ(研究室)、実験室、工場、病院において愛用され、産業用ワイパーとして世の中に定着しています」と、説明していたのだった。

キムワイプ

製品が使用される、具体的なシチュエーションについては「BtoBの現場で使用されるのが大半です。例えば、ラボ(研究室)、大学、電子工場、化粧品工場、食品工場、メンテナンス、病院などが挙げられます」「職種でいうと、品質管理の方などに製品の分析時にご使用頂くケースが多いです」とも補足している。

キムワイプ

ピペット・ビーカー・試験管・ガラス管・ph電極・計測器や、分析機材・分析機器のワイピング(拭き取り)のほか、精密機械のメンテナンスにも愛用されるキムワイプ。

これは前出の「羽毛立ちや紙粉が少ない」という特徴の存在が大きく、こちらの機能は他のシーンでも大活躍している。

例えばつい先日、ゲームセンターでのヤバいプレイでバズったSirabee取材班・特別部隊のフハジンさんは「ガンプラ作成」の際、キムワイプを愛用しているそう。

その理由について、フハジンさんは「ティッシュと異なり、パーツを拭いた際に紙粉が少なく、水に溶けにくい特徴が重宝します」「スミ入れ(塗装)ではみ出した塗料や、使用したツールのメンテナンス時にキムワイプを使うと、埃のような汚れや紙粉が付着しにくいため、モデラーに愛用されています」と、説明してくれたのだ。

なお記者は文系学生で、プラモデルを作った経験がなく、工場や病院での勤務経験もない…と、完全にキムワイプと無縁の人生を送ってきた。別途調査したところ、同様に「全く知らなかった」という人も、決して少なくない。

しかし前出の、数々のエピソードから伝わるように、その機能性の高さから高い人気を博しているのがキムワイプ。今回の取材に際し、「LINEスタンプに課金するほど好き」「自宅に常備している」「鼻をかむと痛い」など、キムワイプを愛するガチ勢たちから熱いコメントが多数得られている。

キムワイプ

そんな「熱狂的だが局地的」とも言える人気を誇るキムワイプが、世間に注目される切っ掛けとなったポストについて、クレシア担当者は「しらほた様の投稿時間(8日19時36分)と、キムワイプアカウントの投稿時間(同日19時56分)を見てもらうと、20分の差しかないことが分かります。このことからも明らかなように、しらほた様の投稿をたまたまリアルタイムで発見できたこと自体に運命を感じました」と、振り返る。

続けて「もちろん奥様のお召し物はキムワイプにしか見えず…とてもほっこりとした気持ちになりました。これからもそのお洋服を、ボロボロになるまで着続けて頂けると嬉しいです」とのコメントも。

初夏にピッタリな爽やかキムワイプコーデを纏えば、街行く人の目線を独り占めできること間違いなし。自慢のキムワイプコーデで、街に繰り出そう。


関連記事:矢口真里、“クローゼット不倫”から10年の評判 仕事先での性格に関係者も驚き

■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

・合わせて読みたい→若槻千夏、バラエティ復帰で気づいたテレビの変化 「分析がスゴい」

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

キムワイプコーデの参考に!【Amazon】