スマホ&クレカ使った流行りの納税 ”とある条件”クリアしておくと「700円」得ができて…
【得する経済学】便利なスマホでの納税。PayPayの還元システムを利用すると「得する」ケースがあるのだ。
「えーと、納税額10万円とちょっとでポチっと」
スマホの画面を確認しながらちょうど固定資産税を納税し終えたところです。4月から6月にかけては地方自治体から固定資産税の請求が届きます。以前は銀行に出向かなければならなかったものですが、最近はスマホで便利に納税できるようになりました。
■クレカでの支払い
ちなみにコンビニで納付することもできるのですが、電気代や水道代と違って固定資産税は金額が大きいものですから私はコンビニ窓口は避けていました。10万円を超える支払いはコンビニのレジ払いだと不安な気がするのです。あくまで個人の感想です。
さて、この「地方税お支払いサイト」ではインターネットバンキングともうひとつクレジットカードでの支払いもできます。ただクレジットカードで納付しようとすると「システム利用料」というものがかかり割高になります。
■実際、損なの?
一般にクレジットカードでの支払いの際、現金払いと違う手数料を上乗せして請求するのは加盟店規約違反です。税金の場合だけそれが規約違反にならない理由は、手数料は納付を代行してくれる民間業者が受け取る手数料であって、国や自治体が手数料を受け取るわけではないからだそうです。
そのシステム利用料が少しわかりにくい仕組みなのですが、納税額が数万円を超えるとおおむね納税額の1%弱が手数料として徴収される仕組みです。今回は10万8600円を納税して手数料率は0.8%になりました。支払う前に手数料がいくらになるのか試算できるようになっているので気になる方は事前にチェックしましょう。
さて、ここで結構たくさんの人が気にしている疑問が「クレジットカードでの支払いだと損をするのかどうか?」です。
■「還元率」を確認せよ
普段の買い物ではクレジットカードで支払うとポイントがつきますから、現金で払うよりもお得だとすぐにわかります。でも手数料がかかる場合はクレカの支払いはどうなのでしょう? ここで比較対象となるインターネットバンキングでの支払いは手数料がかかりません。
この問題、当然ながら自分がもっているクレカの還元率によって正解が変わります。一般的なクレジットカードでのポイント還元率は0.5%程度になるのが基本です。ですから普通のクレジットカードの場合は使ってしまうと差し引きで0.3~0.5%ぐらい損をしてしまうことになりそうです。
一方で人気のペイペイカードや楽天カードの場合はどうでしょう。どちらも基本は利用代金の1%のポイントが戻ってきますから、だいたいの場合で0.2%程度得をすることになります。
ただ例外は納付金額が少ない場合。たとえば1万円以下を納付する場合は一律40円手数料がかかりますから、4000円よりも少ない納税額だと楽天カードでも損がでます。同様に2万円未満だと一律123円が手数料なので12300円よりも少ない納税額だと損になります。納税額が20500円を超えたらもうそういう細かい心配はしなくても大丈夫です。
■納税して700円お得に
さて、お得な経済学のコラムですから当然、わたしもここからさらにお得なことを考えはじめます。「もっと還元率のいいカードだったらどうなるだろう?」と考えるわけです。
この連載で何度も紹介しているペイペイカードのペイペイステップの仕組みを使ってみます。ペイペイではQRコード決済のペイペイとクレジットカードのペイペイカードの両方あわせて月間30回以上、合計額で10万円以上の利用条件を達成すると翌月のポイント還元率は1.5%になります。
重要なことは、あらかじめ1.5%になる条件を達成しておいたその翌月に税金を納付することです。さきほどの例で10万円程度を納付して0.8%の手数料率だったとしたら、ペイペイステップで条件を達成している場合は1.5%分のポイント還元がありますから差し引き0.7%は儲かります。
計算をしてみると700円儲かることになりますね。たいしたことないように思うかもしれませんが、納税額が大きい人は家族の外食代ぐらいのリターンがあるかもしれません。
つまり覚えておくといいことは、たくさん納税する人であればあるほど、ペイペイステップ条件を達成してからクレカ納税すると嬉しいご褒美があるということです。ぜひお試しあれ。
■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「税金のクレカ払いは正解か」をテーマにお届けしました。
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(文/鈴木貴博)