インドの億万長者夫婦が全財産37億円を寄付し出家 施しのみの生活へ
何不自由ない暮らしをしてきた夫妻が、巨万の富を捨てる選択をした。建設業で得た富と持ち物は人々に分配し、修行の道に進む。
インドのグジャラート州に住む億万長者夫婦が、2,400万ドル(約37億円)の全財産を慈善事業に寄付し、施しに頼って生活するジャイナ教の修行者になることを決め、話題となっている。『The Sun』や『Oddity Central』が報じている。
■子供に感化され出家
ブハベシュ・バンダリさんと妻のジナルさんは建設業で莫大な富を築き、豪邸や高級車などを所有して、何不自由ない贅沢な生活を送ってきた。
しかし、2022年に16歳の息子と19歳の娘がジャイナ教の修行者になったことから感化され、夫婦も同じ道を選んだ。
一家は10年前からジャイナ教の指導者アチャーリャ・デーヴ・ヴィジャイ・ヨグ・ティラク・スリジ・マハラジの教えに従い、物資に頼らず精神生活を送っていたという。
■持ち物は最小限に
ジャイナ教の修行者は極めて穏やかで非暴力的な人々とされ、持ち物は2着の白い衣服、施しを受ける鉢、そして虫を避けるための掃除道具のみだ。
また彼らは日の出から日没までの間、食べ物を一切口にすることはできない。自炊も禁止され、他者からの施しによる食事のみを許される。さらに、異性や子供にも触れてはならないという厳しい戒律がある。
■正しい生き方を選ぶ
夫婦は2月には4キロメートルの行列に加わり、金品や携帯電話、エアコンまでを寄付するなど周囲の人々に富を分け与え、初めての出家の儀式を行った。この日は数100人の地元住民が集まり、バンダリ夫婦の所持品を求めて押し寄せた光景が映し出された。
バンダリさんは「私は正しい生き方を選ぶことにした。そのために修行者の道を選んだ」「今までは贅沢な生活を送り、ビジネスでも困難に直面することはなかった。この決断に満足している」と語る。
■修行の道へ
夫婦は22日、アーメダバードのサバルマティ川沿いで盛大なディクシャの儀式を行う。ジャイナ教の指導者から正式に修行者の資格を授かり、ムムクシュ(解脱を目指す者)と呼ばれることになる。そしてこれ以降は家族との絆を断ち切り、裸足で国内を歩き回ることになるのだ。
バンダリ家は以前から地元社会への貢献に力を入れ、ディクシャの儀式にも定期的に協力していたという。莫大な富を手にしながらも、精神的な生活を選んだ夫婦の決断は、インド社会に大きな影響を与えそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)