誕生日ケーキを食べた少女が死亡 販売元のパン屋を相手取り遺族が訴訟
誕生日ケーキを食べた少女が、食中毒で死亡。死因となったのは、遺族がフードデリバリーのアプリから注文したケーキだった。
10歳の誕生日祝いにケーキを食べた少女が、食中毒で死亡した。家族は、販売したパン屋を相手取り訴訟を起こしているという。『The Independent』『ANI』がレポートしている。
■誕生日が悲劇に
インドのパンジャーブ州で3月24日、誕生日ケーキを食べたマンヴィさん(10)が食中毒で死亡した。このケーキは、マンヴィさんの家族がフードデリバリーのアプリ「Zomato」で、あるパン屋から注文したものだという。
同日の夕方、マンヴィさんはケーキを食べた直後から激しい嘔吐に見舞われ、食中毒症状が現れた。家族の証言によると、しきりに口の乾燥による不快感を訴えていたという。
マンヴィさんはその日の夜はそのまま眠りについたとされるが、翌朝には容態が悪化。すぐに病院に運ばれ、酸素吸入と心電図を装着された。しかし改善せず、帰らぬ人となった。
■パン屋を提訴
遺族は死因が食中毒によることから、ケーキの販売元であるパン屋を提訴した。警察は地元メディアに対し、「マンヴィさんの遺体から採取したサンプルと食中毒との因果関係を特定するため、調査を進めている」と語っている。
また遺族は、請求書に記載されていた住所と実店舗の場所と名前が異なることから、クラウドキッチンであった可能性も指摘した。クラウドキッチンとは、実店舗を構えずに単一のキッチンで複数のレストランを運営する形態。フードデリバリーの需要が増加する中、効率的で経費の節減ができるとして、人気が高まっている。
マンヴィさんの遺族がケーキを注文した「Zomato」は、まさにこのクラウドキッチンを売りにしているアプリだった。同アプリの運営会社は、2020年にアメリカの大手デリバリー「Uber Eats」のインド事業を買収し、インド内でも着実にシェアを伸ばしている企業である。
■アプリから店を除外
マンヴィさんの祖父であるラルさんは、捜査に関して保健局が協力的でなかったことを不服だとしている。「保健局の職員は、当初ケーキのサンプルを私たちから受け取ることを拒否し、店から直接受け取ると主張していた」とメディアに話している。
一方、「Zomato」の広告担当者は『The Independent』の取材に対し、「警察が介入したと知り、すぐにパン屋をアプリから除外しました」とコメントした。さらに、「Zomatoは、店の経営者に対していかなる業態でも運営を禁止し、法執行機関に全面的に協力します」と言及した。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)