工場のロボットアームに潰され男性が死亡 雇用側は「従業員の判断ミス」と主張
せっせと作業していた従業員に、ロボットアームが直撃。近くにいた従業員らはすぐに気づかず、最悪な結果になってしまった。
突然発生した恐ろしい事故により、従業員1名が命を落としてしまった。働く人たちの安全を守るための対策に、不備はなかったのか。工場側の反応も含め、タイのメディア『Thaiger』などが伝えている。
■いきなりの大惨事
3月27日、タイ・チョンブリー県にある工場で働いていた男性従業員Aさんが、悲劇に見舞われた。いつものように作業を進めていたAさんが体をかがめたところに、ロボットアームが上から直撃して挟まれてしまったのだ。
このとき職場には別の作業員がいたが、すぐには事故発生に気づかず仕事を続行していた。その後ほどなくして関係者が事故に気づき、ただちに通報。駆けつけた救急隊が救い出し病院に搬送したが、Aさんは助からなかった。
■責任は「従業員にある」
工場側は事故原因について「従業員の判断ミス」「従業員はロボットアームの機能を認識している」「勤務時間中の事故については、従業員に責任がある」と発表。雇用側の問題ではないと示唆し、今後これ以上の情報開示はないとしている。
ただ安全対策などについては不明な点が多く、責任説明についても「これで十分と言えるのか」といった疑問の声が多くあがっている。
■韓国でも類似事故
産業用のロボットが原因で人が命を落とすことは、過去にもあった。2023年11月には韓国にある農産物流通センターで、機械を確認していた40代男性がロボットアームに顔と胸部などを挟まれ、その後に死亡している。
当局によると、原因はロボットの誤作動とみられ、「男性を箱と間違えた可能性が高い」と伝えられた。それ以前から、産業用ロボットの誤作動と、それが原因の事故がたびたび報じられてきた。機械を用いる職場における安全管理については、さらなる見直しと徹底が望まれている。
■ネットユーザーも衝撃
Aさんの死について報道で知った人たちからは、驚きの声が噴出している。イギリスでロボットアームのプログラミングに関わったというネットユーザーは、「機械は扱う人の指示に従うのみ」「(安全面を考え)人とは離れた場所で使うもの」「ただ、そうしない国もあるようだ」と書き込んでいる。
また、責任はないとする工場側の対応を批判する意見も多く、「亡くなった方、そしてご遺族が気の毒でならない」というコメントもある。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)