推し歌手に大量プレゼントで借金苦に 男が親の高級外車2台を売却し訴えられる
男は借金を背負ってまで“推し”に没頭した。そこで母親のロールス・ロイスとミニ・クーパーの売却を試みたが…。
推し活やときめきは気分が明るくなり、人生を豊かにすることもある。のめり込んでしまう人も少なくないようだが、常識や許容の範囲内で行いたいものだ。ある男の話題が世間を驚かせていることを、シンガポールの『AsiaOne』や『The Straits Times』が報じた。
■推しへのプレゼントで借金抱える
2022年、リウ・クエイ・リアンという33歳の男は、クラブでパフォーマンスをしていた女性歌手に一目惚れ。以来、彼女の推しとなり応援していた。
ある日、彼女にたくさんの花をあしらったオーナメントを贈ったが、リウは金銭的に余裕がなく、借金を背負うことに。そこで彼は、母親が所有するロールス・ロイスとミニ・クーパーの高級外車に目を付けた。
■母親の外車を無断で売却
同年8月1日、リウはカー・ディーラーをしているロウ・ライ・センさんに、売却の件でコンタクトを取った。
ロールス・ロイスは70万シンガポール・ドル(日本円にして約8,000万円)、ミニ・クーパーは13万シンガポール・ドル(約1,500万円)でそれぞれ売れると分かり、リウは合意した。
「母親は今、台湾にいる」と嘘をつき、署名も捏造して書類を作成。母親に電話をかけてこられるのはまずいとして、台湾に暮らす友人の電話番号を教えていたこともわかっている。
■母親が気付き被害届を
しかし、ロウさんがリウに前払いとして15万シンガポール・ドル(約1,700万円)を支払ったところで、リウの母親は車が売却されていることに気が付いた。
警察に盗難被害の届けを提出し、母親は息子が犯人と知って激怒。とりあえず息子が受け取っていた額と同じお金をロウさんに戻し、2台の車を取り戻した。
なお、彼女がその後にロールス・ロイスを売却したところ、それよりずっと高値の100万シンガポール・ドル(約1億1,000万円)で買い取ってもらえたという。
■親子は和解も甘やかしに批判が
この出来事で、検察側は「事件の金額があまりにも高額」だとして、リウに4~6ヶ月の懲役を求刑した。
その後、親子は和解。母親は「ディーラーに戻したお金は自分の懐から。息子には出させない。被害届も取り下げるつもりだ」と明かし、その甘やかしぶりにも批判の声があがった。
だが、裁判官のブレンダ・チュアさんは今年3月22日、「事件の被害者はロウさんと母親のふたり。加害者であるリウは自分では何の償いもしていない」と厳しく指摘。結局リウに懲役12週間の有罪判決が下された。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)