約3割が知っていた座布団の常識 「子供の頃に並べ方を習ったことがあるけれど…」
何気なく座っている座布団だが、その向きには決まりがあった。
椅子やソファーに座ることが多くなり、利用する機会が減ってきている座布団だが、長い歴史の中で生まれたルールがあるようだ。
■座布団には前と後ろがある
Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女800名を対象に実施した調査では、全体で28.6%の人が「座布団に前と後ろがあるのを知っている」と回答した。
なお男女別に見ると、男性は24.8%、女性は32.3%という結果になっている。
■法事の手伝いをした際に教えられた
編集部が話しを聞いた40代の女性は「子供の頃に法事の手伝いをしていて教えられたことがあり、前と後ろがあるということは知っています」と述べた。
しかし、その後座布団を並べる機会もなく、何が前で何が後ろだったかは覚えていないそう。「前後や裏表があったと思うのですが…」となんとなくしか覚えていない様子だった。
■前後の違いに加えて裏表も
座布団の前後ろは縫い目の有無で判断する。片方を輪にして袋状に縫い合わせて作るため、輪の辺には縫い目がない。これを正面にして座るのが正しいそうだ。また、ファスナー式のカバーを使用している際は、ファスナー部分が後ろにくるのが正しい向きになるという。
座布団には前後だけでなく裏表もある。「縫い目が上からかぶっているほうが表」「中央で閉じる“房”がついているほうが表」などいくつかの判断基準があるようだ。
■座布団の歴史は平安時代に遡る
座布団の歴史は平安時代~鎌倉時代まで遡る。茵(しとね)と呼ばれる正方形の敷物のようなものを指し、江戸時代中期には現在の形となって庶民にも少しずつ普及していく。畳の技術が発達し、固く丈夫で長持ちするものへと変化したため、正座をするのにやわらかい坐具が好まれるようになったとも考えられている。
そこからさらに時は進み、現代では椅子やソファーに座る機会も多く、利用するシーンは次第に減ってきているかもしれないが、座布団に座ることがあったら前後や裏表などを確認してみてはいかがだろうか。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女800名 (有効回答数)