8歳少女がプールの取水口に吸い込まれ死亡 遺体引き出しまでに13時間
ホテルのプールで起きた悲劇的な死亡事故。水を飲み窒息死している少女の遺体を引き出すまで、かなりの時間を要することになった。
ゴールデンウイークには旅に出て、プールで遊ぶという家庭は多いだろう。保護者は安全のため、子供たちに取水口(吸水口)へ近づかないよう指導する必要がある。
アメリカ・テキサス州で起きた悲劇的な事故の話題を、地元メディアの『abc13 News』『Fox26 Houston』などが報じている。
■遺体発見まで長い時間
23日、アメリカ・テキサス州ヒューストン市にあるダブルツリー・バイ・ヒルトンヒューストン・ブルックホロウで、死亡事故が起きた。
死亡したのは、家族や親せきとともにそのホテルを訪れ、プールで遊んでいた8歳のアリヤー・ジェイコちゃん。午後6時頃に姿が見えなくなり、怪しい箇所に気づいたのが午後9時。しかし遺体の発見までさらに3時間もかかった理由が明かされ、世間を震撼させている。
■ハイパワーの取水口に…
アリヤーちゃんがいないことに気づいた家族は、プールはもちろんホテル全体をくまなく捜したが発見できず、従業員にも協力を要請した。
そして約3時間後、流れるプールの壁に設けられた取水口の一ヶ所で、蓋が閉まっていないことがわかった。直径40センチ弱の長いパイプがあり、その先は水の循環ろ過装置につながっていた。
取水口は、吸水の強い勢いで長い髪が引き込まれ、しばしば事故が起きているポイントでもある。
■少女の体は6メートルほど奥へ
プールの水が抜かれ、パイプ内部の様子を知るため、小型のカメラを装着したボールが投入された。さらに鋭い嗅覚を持つブラッドハウンドが反応を見せ、パイプの6メートルほど進んだところにアリヤ―ちゃんの体が詰まっていることが確定した。
非営利組織のテキサス・ エクユーサーチというレスキュー隊も捜索の段階から参加していたが、水を飲み窒息死しているアリヤーちゃんの遺体を引き出せたのは、なんと事態の発覚から13時間も後だったという。
■ずさんだったプールの安全管理体制
アリヤーちゃんの母ダニエラ・ハイコさんは、「私たちの最後の写真です」として、事故現場になったプールで撮影された楽しそうな娘の写真をFacebookにアップした。
「私の娘は、愛と高貴な心とは何なのかを教えてくれました。8年間私に寄り添ってくれてありがとう。誰にも定められた運命があるとは言うものの、なぜ、あなたがこんな目に遭ってしまったのか、とうてい理解できません」と嘆き悲しんでいる。
その後の調べで、プールの安全管理体制がずさんだったこともわかり、家族はホテルの提訴を検討中だという。
・合わせて読みたい→幼い双子が自宅プールで溺死する大惨事 アルツハイマー病の祖母の行動が原因か
(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)