「ヘリコプター」に改造した車を押収された男性 「結婚式に貸し出す用だったのに…」
インドで自家用車を「ヘリコプター」に見立てて改造した男性に、罰金が科された。近隣住民からは「イノベーションを支援してもいいのでは」と、応援の声があがっている。
インドで、ある男性が自家用車を違法に改造し、警察に車を押収された。ヘリコプターに見立てた改造車を、結婚式のアトラクション用に貸し出すつもりだったという。『The Independent』がレポートした。
■自家用車をヘリコプターに
インド北部に住むイシュワル・ディーンさんという男性が、家族で使用していたスズキ・ワゴンRをヘリコプターに見立てた形状に改造し、「カーヘリコプター」と名付けた。改造には25万インドルピー(約45万円)を費やしたという。
ディーンさんは、屋根に鉄板で作ったローター・ブレード(回転する翼)を取り付け、ボンネットはヘリコプターの機首のように丸く溶接。さらに後部には、ヘリコプターのテールローターも付けた。粗雑な溶接で鉄板を組み合わせ、完成には2ヶ月を要したそうだ。
しかし塗装するために工場へ運んでいた途中で警察官に停められ、車は押収された。この一件で、ディーンさんには2,000インドルピー(約3,600円)の罰金が科されたという。
■結婚式のレンタル用
ディーンさんが地元メディアに語ったところによると、この「カーヘリコプター」は結婚式の特別なアトラクションとして貸し出す予定だったといい、家計の収入源にするため改造を行ったそうだ。
そのため「昼夜を問わず働いたのに、自分の車が押収されたことに大変落胆しています」と嘆いている。
さらに「プラタプガルやビハール州を含むいくつかの地域では、改造されたジープなどの車両が制限なく道路を走行しています。私のカーヘリコプターは結婚式でのみ使用することを意図しており、それ以外の目的で道路を走ることはありません」とも述べた。
■最高裁判所のガイドライン
インドでは最高裁判所のガイドラインにより、自動車の構造変更が厳しく制限されている。基本的なフレームや構造を改造した場合、車両は工場出荷時の状態に戻さなければならないとされている。
違反が認められると、罰金が科せられるほか、車両の登録取り消しやライセンスの剥奪もあり得るという。
また、クラクションの変更、指定されたナンバープレート以外の使用、窓ガラスにフィルムを貼る行為、排気システムや照明の変更についても、厳しい規制が設けられている。
ディーンさんの車は押収後、部品などを完全に分解し、車本体は返却されることになっているという。周囲の住民からは、「イノベーションを支援してもいいのではないか」という意見が出ているそうだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)