無人の地で「大統領」になった19歳男性 クロアチア当局に屈せず国家再建目指す
暮らしていたイギリスから離れ、自称・大統領になった19歳の男性。クロアチア当局からの拘束を受け苦境に立たされているものの、1万5,000人の市民希望者が入国を心待ちにしているという。
セルビアとクロアチアの間に、無人の土地を発見した男性。その場所を自国と宣言し、大統領になった出来事が話題になっている。『The Sun』がレポートしている。
■自称・大統領の誕生
ダニエル・ジャクソンさん(19)という男性が、友人と見つけた無人の土地を自国と宣言し、「大統領」を名乗り話題になっている。
ジャクソンさんは幼少期にオーストラリアからイギリスに移住したが、イギリスの生活に満足できず自分の国を築きたいという願望があったという。
そして、たまたまセルビアとクロアチアの間にあるダニューブ川沿いの0.2平方マイル(約0.5平方キロメートル)の土地を見つけ調査を行ったところ、誰にも所有されていないことが判明した。
ジャクソンさんと友人6人はこの土地を「The Free Republic of Verdis(ヴェルディス自由共和国)」と名付けた。世界で最も面積が小さいバチカン市国に続き、2番目に小さい国なのだという。
■クロアチア当局による拘束
ジャクソンさんは、ヴェルディス自由共和国を建国してからウクライナ紛争への援助を行ってきた。そのため、クロアチア当局から国境内に足を踏み入れることを禁止され、建国した友人らとともに拘束された後、国外に追い出されている。クロアチア当局によれば、不法に土地を占拠した国際法違反にあたるとみなしたためだった。
しかしジャクソンさんらは、「この土地はクロアチア共和国の一部になったことは一度もなく、クロアチアも主張していない」「当局は私たちをヴェルディスからクロアチアに連れて行き、その後に国外追放という形をとり入国を禁止した」と、拘束の経緯を明らかにしている。
■市民希望者は1万5,000人に…
ヴェルディス自由共和国はダニューブ川に囲まれた水辺に位置するため、ボートで約9キロの道のりを移動しなくてはならない。しかし、すでに400人ほどの住民がいるほか、1万5,000人もが市民になることを希望しているのだという。
クロアチア当局の圧力はジャクソンさんらの拘束だけにとどまらず、土地の返還請求を決定したとして、ヴェルディス自由共和国民のビザ取り消しを余儀なくしている。
ジャクソンさんは「最も大変だったのは、土地へのアクセスでした」と話す。2024年末を目標に永住者を迎える準備をすすめていた計画は、クロアチア当局の関与でとん挫してしまっているそうだ。
また現状に対し、「人道的活動に専念し、ヴェルディス自由共和国はセルビアとクロアチアの摩擦については、中立の立場を取り続けるのが信念だ」と話し、1日も早い国の再建を目指している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)