インドで運転手不在の貨物列車が5駅分も暴走 職員4人が停職処分に
無人の貨物列車が、時速100キロで走行する事故が発生。鉄道職員が木のブロックで停止させ、惨事を免れた。
インド北西部で運転手不在の貨物列車が暴走し、70キロ以上の距離を無人走行したことが明らかになった。『BBC』や『NDTV』などの現地メディアが報じている。
■乗務員交代中に暴走
列車事故は、ジャンムーからパンジャブに向かう53両編成の貨物列車が、乗務員交代のためカトゥアで停車した際に発生した。
『NDTV』によると、運転手と助手が列車を降りた際にハンドブレーキがかかっておらず、列車は傾斜した線路を猛スピードで走り去ったという。
事故発生後、インド国鉄は列車の走行ルートに沿った踏切を閉鎖し、安全対策を講じた。
■木製ブロックで停止
その後に傾斜を下り、最速で約100キロで走行していた貨物列車は、徐々に減速して5つの駅を通過し、アンチ・バシー駅近くでようやく停止した。
関係者によると、上り勾配の線路に切り替えて速度を70キロ台まで減速させ、最終的には鉄道職員が線路に木製のブロックを置いて列車を止めたという。
インド国鉄は「事件の正確な理由はまだ判明していない」としながらも、再発防止のために原因の調査を続けており、職員4人が停職処分を受けている。
■過去にも列車事故が多発
国営の独占企業であるインド鉄道は、2018年にも1,000人の乗客を乗せた無人列車が走行する事故を起こしている。
また、昨年6月にオディシャ州バラソール地区で起きた列車事故では、280人以上が死亡、850人が負傷する大惨事となった。
インドの最大の列車事故は、1981年にネパール国境付近でサイクロンが発生した際、過密状態の旅客列車の客車7両が線路から川に落下した事故で、このときには800人以上が死亡している。
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)