見逃し番組の視聴コスト、TVer、UーNEXT、それとも全録画? どのやり方が一番お得か
【得する経済学】見逃したテレビ番組も最近では色々な手段で観ることができる。中でも一番コストがかからない方法は?
「10万円ですか。それって高くないですか?」
というのがZ世代の知人が昭和世代の私のアドバイスに対して、ストレートに感じた感想です。
たわいもない話なのですが、テレビ番組の見逃しの話です。今シーズンのドラマ『不適切にもほどがある』(TBS系)が今回の話題の対象です。メディアで話題になってSNSでバズっていて、見たいのだけれども仮にあなたがまだ見ていないとします。
一般的には見逃した番組は民放公式テレビ配信サービス『TVer』を使うのが経済学的にはお得なやり方です。TVerの場合、主なドラマやバラエティ番組は一週間、無料で番組を配信しています。問題はそれを過ぎたらどうするか? です。
■見逃し配信の無料コースと有料コース
いまさら『不適切にもほどがある』を初めから観たいという場合は、無料コースと有料コースがあります。無料の場合はTVerで第一話と最新話が無料、その間のエピソード各話は10分弱のダイジェスト番組が無料で視聴できます。話題についていきたいという人はこれを観るのが経済的ですね。
一方で「せっかく人気のドラマなのでちゃんと視聴したい」という場合は、有料の動画サブスクサービスを使うことになります。『不適切にもほどがある』の場合、U-NEXTかNETFLIXに加入していれば最新のエピソードまで全話を一気見で楽しむことができるのです。
私のまわりを見ると、動画のサブスクサービスはZ世代を中心に普通に利用している人が増えています。U-NEXTは月額2,189円、NETFLIXはベーシックプランで月額990円で見逃したドラマがストリーミング視聴できるのです。
■問題は他のチャンネルもカバーすること
問題はそれだけでは済まない場合です。『不適切にもほどがある』以外にフジテレビの『大奥』も観たいとするとFODと月額976円で契約する必要がありますし、日テレのドラマならhuluで月額1,026円、NHKならNHKオンデマンドで月額990円が必要です。
ちなみにテレ朝はAbemaTVに出資しているのでAbemaで無料でドラマが見れるのはちょっとお得ですね。
いずれにしてもすべてのチャンネルをカバーしようとすると月額5,000円ぐらいかかってしまうわけで、ここが頭を悩ませるところです。
■タイムマシンというもうひとつの選択肢
わたしの知人の強者は計画的に一か月ごとに見たいサブスクを回遊しています。今月はU-NEXT、次はNETFLIX、その次はhuluといった具合に月1,000~2,000円の予算で観たいドラマを最新話まで一気見して、翌月はまた別のテレビ局の番組に動いていくというやり方です。とはいえ、このやり方だとお得ですけど世間の話題についていくことは難しい。一匹狼的な生き方かなと私は思います。
そこで冒頭の話です。私は見逃し対策として東芝のタイムマシンレコーダーを使っています。本体4TBに外付けHDDを4TB別途購入して、7チャンネル分をざっくり言えば2週間以上全録できます。
それなので新シーズンでドラマが始まったら、放送済の話題のドラマを見逃し視聴できますし、保存もできるのです。私の使い方は話題のドラマはとりあえず見る前に保存して、それ以降毎週番組保存するようにしています。そうすればシーズンの中頃で、時間ができたタイミングで一気見できるというわけです。
■10万円とみるか? それとも月1000円とみるか?
最近、それまで使っていた機種が古くなったので新しいのに買い替えたのですが、本体と外付HDDあわせて約10万円かかりました。その話をしたところ冒頭の知人が「高いですね」「サブスクの方がお得じゃないですか?」と疑問を呈したというわけです。
たしかに一度の出費はサブスクよりもはるかに多いですよね。でも以前の機種は8年間使えました。10万円を8年間つまり96か月で割ってみると月額約1,000円です。月1,000円のサブスクと考えれば全部で7チャンネル、見逃し配信ができるタイムマシンレコーダーの方が私にはお得に思えるのですが、皆さんはどう感じました?
■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「テレビ番組の見逃しコスト」をテーマにお届けしました。
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(文/鈴木貴博)