女性観光客と夫がインドで集団性暴行の被害に 大使館が性犯罪撲滅を喚起
インドで、観光客を襲った集団性暴行事件が起きた。サポートにあたった大使館が、人々が団結することで性犯罪を撲滅するよう訴えている。
インドを旅行していた観光客が、集団から性暴行を受けるという事件が発生した。警察はすでに犯人である7人全員の身元を特定しているという。『BBC』『The Washington Post』がレポートした。
■インドで集団強姦事件
インドを観光していた女性(28)とその夫が、集団から性暴行に遭ったという。事件当時、夫妻はバイクでインド東部を通ってネパールに向かう途中の森で、キャンプをしていたとみられている。
女性は当時の状況を、「7人の男にレイプされました。私たちを殴りましたが、奪われた所持品はほとんどありませんでした」「彼らがしたかったのは、私をレイプすることだったからです」と述べ、男たちが夫妻を殴り、「殺す」と脅していたと証言した。
夫は「私は口に傷を負いましたが、私のパートナーはもっとひどい状態です」「男らは何度もヘルメットで私を殴り、頭に石を投げつけました」と被害の状況を語った。
■性暴力が蔓延
インドの地元警察は、犯人とみられる7人の男全員の身元を特定しており、4人はすでに逮捕したが、残り3人の捜査が続いていると伝えられている。
報道はされないものの、インドでは低位カーストや先住民部族のコミュニティの女性を対象とした、性暴行が蔓延しているのだという。
2012年には、集団性暴行により死亡した女子大学生(当時22)の事件を受け、何千人もの市民による抗議デモが起こった。この事件をきっかけに、インド政府は強姦罪の法的定義を拡大して死刑判決の適用を認めたが、女性に対する犯罪を巡る論争は、いまだ潜在的な政治的逆風に敏感なままだ。
■大使館が団結を喚起
今回被害にあった女性は、ブラジルとスペインの二重国籍を持っていたため、インドにあるブラジル大使館とスペイン大使館がサポートに当たったと伝えられている。
スペイン大使館は公式X(旧・ツイッター)に「私たちは世界中のあらゆる場所で、女性に対する暴力をなくすという決意で団結する必要がある」と投稿した。
アメリカのジャーナリストが以前に「インドはお気に入りの国の一つだが、性的攻撃レベルが桁違いだ」と発言したことに対し、インドの国家女性委員会のレーカー・シャルマ委員長が「被害者が届出をしないから」と批判したことで、大きな非難を浴びたこともあった。
作家のカランジート・カウルは、「私たちは女性に対する暴力に慣れすぎているので、事件の輪郭が異なる場合にのみ、良心を傷つけるようになってしまった」と話し、この問題が社会においてマンネリ化してしまったことを指摘している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)