およそ6割の就活生が「ガクチカ」を盛っていた 識者が語る最新の就活事情に驚き…
就活時の定番質問「ガクチカ」。この質問に対して、約6割の人がエピソードを盛って話してしまうようで…。
■SNSの普及も要因の1つか
自分に自信が持てないために、エピソードを誇張してしまう学生が多いのだろう。こうした学生が増えた背景には、近年のSNSが広く普及したことも関係しているという。
寺口氏は、「SNSを見る時は大体一人でいる時が多いと思います。その際、自分は一人でいるのに、SNSでつながっている友人達が楽しそうにしていると、比較してしまいがちです。他人の充実した様子と比べて、自信をなくしたり、孤独に感じたりします。また、加工のカジュアル化により、盛るのが当たり前になったことで、美化された自分に慣れてしまい、本来の自分を出すことに対する抵抗感が高まっているのかもしれません」と話す。
本来、比べる必要のないことを比較した結果、自分に自信を持てなくなってしまうのだ。
コロナ禍で「ひとり時間」が増えたことも、この傾向に拍車をかけているという。寺口氏からは、「他人とコミュニケーションを取ることに苦手意識が生まれ、他人とあまり深い話ができず、自分を分析する機会も減っているのだと思います。本来であれば、他人と深く関わる中で自分が見えてくるものなのですが…」というコメントが寄せられている。
こうして自己肯定感が下がった結果、面接でも本来の自分より良い姿を見せないといけないと思い込み、面接で「すごいことを言わないと…」と焦ってしまうのかもしれない。
■「コロナ禍を受けて…」
25年卒業予定の学生達は、大学4年間のいずれかでコロナ禍による「自粛」を経験している。入学前にやろうと思っていたことをできなかった学生も少なくない。こうした状況を受けて、採用する側も面接で学生達を新たな視点で見るようにしているようだ。
寺口氏は、「コロナ禍を受けて、何を考えてどう行動したかを聞くようにしているそうです。例えば、留学が目標だったものの海外へ行けずに終わったのか、留学はできなくても日本で海外の人が集まる場に足を運んだなど、変化を受けて何をしたかを重視しているそうです。仕事でも変化を受けてどう行動するか求められますからね」と話す。
昨今の学生が企業に求めるものの一つとして、「自分のやりたい職種」があるという。ただ、ここでも「自信のなさ」が見受けられるという。
寺口氏からは、「もちろん、専門性を付けたい学生もいますが、ネガティブな理由で仕事の幅を狭めている学生も少なくありません。例えば、『自分は人と話すのが苦手だから営業はできなさそう』といった具合に、今の苦手意識で選択肢を減らしてしまうんです。人事の方は、『早い段階で自分の可能性を限定しないでほしい』とお話されています」という回答が。
「TOEICで◯◯点取った」「4カ国語話せる」といった実績が一つのアピールポイントになるのは間違いない。ただ、そうした実績がないからといって悲観的にならず、大学生活でどのように考えて取り組んだかをアピールしてほしい。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)