インサイダー取引で2億円超入手の男が逮捕 在宅勤務の妻の電話を盗み聞きし情報収集
ある男が、在宅勤務中に妻の仕事の会話を盗み聞きし、インサイダー取引を行った。これにより大金を手にしたという。
昨年、ある男がインサイダー取引の疑いで逮捕されていたが、そこには切ない理由があったようだ。アメリカの『NEW YORK POST』や『People』が報じている。
■ワーケーションに出た夫妻
2023年3月、アメリカ・テキサス州ヒューストンに暮らすテイラー・ロウドン(42)という男が、インサイダー取引の疑いで逮捕された。
ロウドンは2022年12月に、元妻で石油製品・ガスのトレーディングなどを行うBP社に勤めていたエミリー・クラウスさんと、イタリアのローマへワーケーションに出た。
民泊を借り在宅勤務をしていたエミリーさんは、BPがトラベルセンターズ・オブ・アメリカと合併する旨の会話を電話でしていた。
■インサイダー取引で2億円強を手に
それを耳にしたロウドンは、その後数ヶ月にわたり、エミリーさんに断りもなくトラベルセンターズ・オブ・アメリカの株式を4万6,450株購入した。
そして2023年2月16日にトラベルセンターズ・オブ・アメリカがBPの買収を発表すると、株式は71%も上昇。ロウドンは保持していたすべての株を売却し、176万ドル(約2億6,000万円)を手にした。
だが不審に感じた証券取引等監視委員会は同年3月、BPに対し、買収が実行される前に知っていた全員のリストを提出するよう求めた。
■「妻がたくさん働かなくていいように」
これによりロウドンの不正が発覚。連邦検察庁によると、証券詐欺の罪を認め、不法に稼いだ金を没収することに同意したという。
ロウドンは取り調べに対し、「お金を儲けて、妻がたくさん働かなくてもいいようにしてあげたかった」と明かしている。
そして今年5月17日に判決が言い渡され、最長5年の懲役と最高25万ドル(約3,800万円)の罰金が科せられる可能性があるようだ。
■これまでにも同室で在宅勤務
エミリーさんは事態を知るとともに仕事を解雇され、昨年6月にロウドンとの離婚を決意。これまでにも、夫と同じ部屋の中で在宅勤務を行っていたことを明かした。
またふたりの日頃の会話のなかでも、買収などについて話題にあがることがたびたびあったという。
世間の人々からは「例え相手が家族であっても責任感が足りない」「不正の理由が理由なだけに切ない」といった声があがっている。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)