誰もが知ってるこのソース、5割超が正式名を誤解していた 実は「ブルドッグ」は誤りで…
約6割もの人がブルドックソース社名を「ブルドッグ」と勘違いしていることが判明。担当者は「よく間違えられる」と語る。
■100年前からそんな気遣いを…
まずは「ブルドックソース」のルーツを確認したところ、同社の担当者からは「創業当初は『三澤屋商店』という屋号で、ソースを作って一斗かめに入れて量り売りをしていました」との回答が。
当時は問屋からの委託による販売が主流で、それぞれ「委託店のブランド」として販売されていた中、同社独自の販路によるソースは「犬首印」のブランド名で出荷していたという。
しかし、委託店ブランドの中には「狼印」の名前で販売されている商品があり、こちらはラベルに狼が描かれていた。そこで同商品との差別化を図るため、当時ペットとして人気の高まっていた「ブルドッグ」を採用したのだ。
ブルドックソース担当者は「ソース発祥の地であるイギリスで、ブルドッグは国犬として愛されていました。日本のソースの美味しさもブルドッグ同様に人々に広く愛されるようにと、商品名と社名に採用しました」と、命名の背景について説明している。
また、創業者・小島仲三郎氏は「呼びやすいように」ということで、あえて濁点をとった「ブルドック」という社名を採用したそうだ。
日本人は「促音」+「濁点」からなる単語の発音が苦手であり、先ほど例に挙げたような「ビッグ」(ビック)のほか、「バッグ」(鞄)や「ベッド」を「バック」(戻る)、「ベット」(賭ける)と発音してしまうケースは、令和の現代でも珍しくない。
そのため小島氏があえて濁点をとったのは、非常に画期的なアイデアと言えるだろう。
■ブルドッグの誤解、同社では「あるある」だった
1902年(明治35年)に前出の「三澤屋商店」ならびにブルドックソースの歴史が始まり、去る2022年には創業120周年を迎えた。
同社の歩みはまさに、近代日本における調味料の歴史そのものであり、担当者は「様々な時代を経て、日本の洋食文化の発展と共に皆さまの食卓に寄り添い、ほっとする美味しさを届けてまいりました。これからも安全・安心な商品づくりを第一に、『世界のSauceを創造する』ブランドに成長できるよう、挑戦を続けてまいります」と、今後の抱負について語っている。
なお、今回のアンケート結果に現れているように「ブルドッグ」と名称を誤解されるのは、同社ではやはり「あるある」な模様。
担当者は「コーポレートマークの印象が強いのでしょうか。ご年代問わず、ブルドッ『グ』と認識されていることが多く、その際には社員の方からお伝えさせて頂いております。当社の社員は入社してから、一度は皆経験していることと存じます」とのコメントを寄せてくれた。
弊社の社名は「ブルドックソース」になります!
「グ」と思われている方が多いのですが正しくは「ク」になります🫡— ブルドックソース株式会社 (@BULLDOGSAUCE_) January 12, 2024
これまで名称を混同して覚えていた人も、今日から胸を張って「ブルドック」と呼んでほしい。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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