LINEの文末「。が恐怖」という”マルハラ”は本当か? 10〜20代も過半数が「何も思わない」

LINEなどの文末に「。」を打つと恐怖を感じる…という「マルハラ」が話題に。これは本当なのだろうか?

マルハラ

短歌や俳句、詩、また新聞記事のタイトルなど一部の例外を除いて、日本語の文章は末尾に句点「。」をつけるのが文法上のルールだ。

科学論文などでは「、。」の代わりに「,.」が用いられる場合もあるが、現代の日本語文法では句点のない文章はきわめて読みづらいと感じるのが一般的な感覚だろう。


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■突如あらわれた「マルハラ」

ところが、昨今「マルハラ」という言葉が突如聞かれるようになった。LINEやチャットなどで末尾に句点を打った文章に対して、「若い世代が恐怖感を覚える」というものだ。

「句点(。)によるハラスメント」だからマルハラ。SNSの声などをもとに、一部メディアがこうした傾向について報じている。

適切な文法に対して意味不明なケチをつける人間のほうが、むしろハラスメントのようにも思えるが、実際に「LINEなどでの句点」はどのように受け止められているのだろうか。

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■8割近くが「何も思わない」

Sirabee編集部が、2月16〜18日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に「LINEやチャットでの文末の句点」について印象を調査したところ、「誠実だと感じる」と答えた人が14.9%。

「冷たいと感じる」が7.4%、「怖い」はわずか1.9%だった。少なくとも全世代で見るといわゆる「マルハラ」は感じる人は1割を下回り、最も多かった答えは「何も思わない」で75.9%だった。

繰り返すが、日本語の文章は最後に句点を打つのが「なんの特別なこともないごく普通」なので、何も思わない人が圧倒的多数なのは納得できる結果だ。

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■若い世代でも3割以下

「マルハラ」が語られる文脈では、「若者たちが恐怖を感じる」と言われるが本当なのだろうか。今回の調査を世代別に見てみるとたしかに年代によって意識差があるようだ。

10〜20代では「冷たい」が22.1%、「怖い」が7.0%と全世代で最も多い。しかし、この世代でも「誠実」と感じる人が16.3%もおり、「何も思わない」が54.7%にのぼっている。マルハラを感じる人は3割に満たない。

30代でも「冷たい」「怖い」と感じる人はわずかにいるが、「誠実だ」と受け止める割合を下回った。

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若い世代においても過半数は「何も思わない」ということが明らかとなった「LINE文末の句点」問題。マルハラなどといった煽り言葉に流されず、それぞれの場において適切な言葉を選ぶことが大切だろう。

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■執筆者プロフィール

タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター

1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。

著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)

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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年2月16日~2月18日
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)

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