ハンバーガー食べアナフィラキシー発症の男性 チーズ抜き忘れたファストフード店を提訴
ハンバーガーを食べてアナフィラキシー症状を起こした男性。一命を取り留めるも、お願いした「チーズ抜き」を忘れたファストフード店を訴えた。
重篤な乳製品アレルギーを持つアメリカ人男性が、チーズを抜き忘れたハンバーガーを提供したファストフード店に対し、賠償を求める訴訟を起こした。『USA Today』『Daily Beast』などが伝えている。
■重篤な食物アレルギー反応
2021年2月21日早朝、ニューヨーク州在住の男性(28)が、フードデリバリーを利用してハンバーガーやドリンクなどを注文した。
注文時、男性は重篤な乳製品アレルギーを持っているため、「ハンバーガーの中のチーズを抜くように」と強くリクエストしたという。
しばらくして到着したハンバーガーを男性が食べたところ、口の中に違和感を覚えた。喉が腫れてきたため中身を確認してみると、チーズが入っていたのだ。
■病院に搬送された男性
男性によると、次第に呼吸が苦しくなり、咳が止まらなくなった。喉のかゆみと腫れが増し、全身に焼けるような感覚が走ったことから、チーズを摂取したことによるアナフィラキシーを発症したのは明白だった。
過去にも同デリバリーサービスを何度か利用しており、いつもチーズ抜きのハンバーガーが届いていたため、安心して食べてしまったそうだ。
男性は側にいた交際相手の女性に助けを求め、急いで救急病院へ。緊急治療を受けたことで一命を取り留め、数時間後には退院できたという。
■賠償求めファストフード店を訴え
この出来事から約3年後の2024年2月2日、男性はファストフード店に対し、治療費をはじめ慰謝料、訴訟費用などの賠償金を求める訴状を、ニューヨーク州上級裁判所に提出した。
男性は「ファストフード店は、安全に食べられる食品を消費者に提供する義務がある」と訴え、同店はそれに違反したとしている。
■フードデリバリー会社は訴外
男性の代理人弁護士は、「本件後、男性はトラウマを抱えるようになりました。レストランで食事を取ろうとすると、恐怖を覚え、精神的に不安定になります」などと、訴訟理由を各メディアに説明している。
訴訟を受けて、各メディアがファストフード店に取材依頼をするも、現時点で回答はない。なお、男性が利用したフードデリバリー会社については訴状に名前はなく、特に訴えられていないという。
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(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら)