高速道路に引かれた「緑色の線」、正しい使い方を知ってる? 絶対に活用すべき理由があり…
高速道路に引かれている「緑色の線」、じつは大きな事故を防ぐため施策だった。正しい使い方は…。
複雑かつ細かいルールの多い運転において、「この標識はなんだろう?」「この道は進んでも問題ないだろうか…」など、未知の状態と遭遇することもしばしば。それでは、高速道路に引かれている「緑色の線」の正しい使い方をご存知だろうか。
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■この「緑色の線」知ってる?
今回話題となるのは、長距離ドライバー・日食青森さんがX(旧ツイッター)に投稿した1件のポストとなる。
投稿には「緑の線を理解していない。。。 違うそうじゃない」と意味深な文章がつづられており、投稿に添えられている写真には、高速道路に引かれた見慣れない“緑色の線”が確認できる。
白線とワイヤーロープの間にに堂々と引かれているこの緑色の線。前方を走る車はこの線を踏まないように意識していると思われ、結果的に白線を越える形で走行している。
なお、この緑色の線について日食青森さんは「昨年夏辺りからこの緑の線が引かれた様に感じます」として、「所々緑の線を跨いで走りましょうというイラスト看板がありますが、緑の線を車線境界線と思われている乗用車をよく見かけます」と語ってくれた。
■緑色の線の正体は…
そこで、この緑色の線の正体について調査すべく「国土交通省」に尋ねてみたところ、正式名称は「車両誘導線」である事が判明。見かけないのもそのはず、この線は東北や和歌山県など一部地域でのみ引かれているとのこと。
そこで車両誘導線をはじめに導入したという「能代河川国道事務所」に取材を実施したところ、車両誘導線を設置した意図や意外な使い方についてが明らかに…。
■重大な事故を防ぐため
まず、同事務所曰く、ワイヤーロープが設置されている場所で事故が起こると、反対車線には飛び出さないもののワイヤーが車に絡まることで重大事故・死亡事故に繋がるケースが多いという。こういった大きな事故を少しでも減らすための施策として生み出されたのが「車両誘導線」なんだとか。
「事故について調査したところ、漫然運転や前方不注視といった要因が見受けられたので、“今自分がどこを走っているのか”を認識していただくために、緑のラインを目印代わりに設置しました」として、試験的に始めたという。
ちなみに、実際に同事務所の管轄の車両誘導線は「鷹巣IC~二井田真中ICのワイヤーロープを設置している区間」に引かれているそう。
■気になる使い方は…
写真を見るとわかるように、車両誘導線は中央というよりは若干右側に引かれていて、これはあえてのこと。
「基本的に右ハンドルの車両が多いと思われるので、(右ハンドルの場合)運転手が真上にくる位置で走行していただくのが正しいです」と、しっかりと跨いだうえで運転手の真下に車両誘導線がある状態で使うのが正解のようだ。
昨年の5月末に設置したばかりということもあり「まだ使い方については浸透はしていないと思いますが、意識していただけたらと思います!」と担当者は語る。高速道路で「車両誘導線」発見した場合は、しっかりと跨いで走行し事故を未然に防いでいきたいものだ。