【動画あり】100円ショップで素材集め完成した「自作ロボット」 その動きと“中身”が想像以上だった
100均ショップで素材をかき集め完成したのは、妙にリアルな動きが癖になる自作ロボ。これは天才的だ…。
■素材は基本的に100均で
100均の毛玉取りやおもちゃの電車,ミルク泡だて器などを動力源とし,竹箸やストローを使った胴体に取り付けてロボットを作っているという、片山さん。今回の「テンセグリティ6脚毛玉取りロボット」はどのようなきっかけで思いついたのか?
「とにかくサイズの大きなものを作ろうと思って取り組みました。これまでにもある程度大きなロボットを、竹箸などを使って作っていたのですが、部屋で撮影すると背景と似た色で同化してしまうのが問題でした。そこでコントラストをつけるために黒いビニール袋をかぶせてみたのですが、生き物感も演出できました.」(片山さん)
黒いビニール袋にはそのような効果もあったのか。続いて、今回の作品に込めたこだわりを聞いた。
「基本的に100均素材で作ることにしています。今回のロボットも毛玉取り、竹箸、ストロー、厚紙、タイルマット、輪ゴム、毛糸、ビニール袋、ラッピングタイを使っていますが、全て100均で購入しました。カットした素材をグルーガンで接着して作っていくスタイルです」(片山さん)
このロボットの大きさは全長117cm。毛玉取りという非力な動力源で大きなロボットを動かすためには、軽くて丈夫に作る必要があり、展示する際のことも考えると、小さくまとめて持ち運べるようにしなければいけなかった。そのため胴体には、竹箸で作った3個のパーツを毛糸でつなぎ、輪ゴムを掛けるだけで自然と組みあがる『テンセグリティ構造』を採用したそうだ。
歩く構造はどうなっているのか?
「『持ち上げておろすと進む機構』を使いました。ロボットの6脚のうち毛玉取りの動力で動いているのは中央の2脚のみで、残りの4脚は受動的に前後に動いているのがポイントです。これによって全ての脚に動力を伝える機構を省略できます。『テンセグリティ構造』と『持ち上げておろすと進む機構』を使うことによって軽くて丈夫に仕上がり、大きなロボットを毛玉取り1個で歩行させることができました」(片山さん)
■ロボット制作の知識は全て独学
片山さんがロボット制作を始めたきっかけは何だったのだろうか。
「2019年頃に二人の息子にプログラミングやロボットに関心を持ってもらうため、自分がお手本となるべく電子工作に手を出したのがきっかけです。まずはマイコンボード(電気機器を制御するための電子部品が動作するのに必要な部品を搭載したボード)を使ったロボット作りから始めたのですが、ほぼ知識ゼロの状態であったため,程なくして挫折しました」(片山さん)
そんな時に以前100均で買ってほったらかしにしていた毛玉取りを見つけ、毛玉取りの吹き出し口から輪ゴムを出してプーリーに引っかけ、動力源にすることを思いついた。そして2020年1月に毛玉取りロボット第1号となる8脚歩行ロボットができたそうだ。また、ロボットはこれまで200体程度は作っているという。
そんな片山さんの本業はお医者さん。ロボットの制作はどうやって学んだのか?
「動作を作り出すリンク機構の知識は全てインターネットから得ました。毛玉取りやおもちゃの電車を動力源とすることや素材に竹箸やストローを使うことは自分で考えました」(片山さん)
最後にメッセージを伺った。
「毛玉取りは容易に取り外し可能で使いまわしできますし、他の素材も税込み110円でいくつも入っているので、今回のようなロボットでも大量に作れば、1体あたりにかかる材料費は200~300円ではないでしょうか。安い材料で、素早く作れて、巧い具合に動く、安い、早い、巧い100均ロボットをこれからもお願いいたします」(片山さん)
プチプラへのこだわりや工夫、そして独学で得た知識をフル活用してできた素敵なロボット作品。これからも驚きのアイデアで、私たちを楽しませてくれるはずだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・黒森ぬぬ)