スパイ容疑のハトが8ヶ月間も拘留 レース中にコースを外れた1羽の可能性も
インドで発見された不審なハト。足に金具を付け、羽には中国語が書かれており、当局は中国からのスパイを疑い拘留していた。
インドは周辺国家との対立や緊張が高まっており、なんとハトまであらぬ嫌疑をかけられ、拘留されていたという。アメリカの『The Washington Post』や『Yahoo!』が報じている。
■中国語が書かれた不審なハト
昨年5月、インド・ムンバイ港の近くで1羽の不審なハトが発見された。足には金具が2つ装着され、羽の下には中国語のような文字が書かれていた。
中国から派遣されたスパイの可能性があると疑った当局は、そのハトを捕獲し、飛んで来た場所や理由など捜査を行った。何か体に埋め込まれていないかも含め、地元の動物病院で徹底的に調べたという。
■ハトを釈放
そしてこのたび、当局は「ハトを綿密かつ適切に捜査したが、結局怪しい点は見つからなかった」と声明を発表。ハトは健康状態も良好で、8ヶ月の拘留期間を経て動物病院から大空へと放たれる様子が、当局により公開された。
動物愛護非営利団体「PETA」のインド支部も、この釈放を支持。プールヴァ・ジョシプラ所長は「他の鳥と同様に自由に空を飛び、餌を探し、夫婦でヒナを育ててほしいです」と述べている。
■道に迷ったレース鳩の可能性
一方、このハトの正体に関しては、台湾のレース鳩取引業者であるヤン・ツンテさんが「台湾沖から飛んだレース鳩ではないだろうか。どこかで道に迷い、港にたどり着いてインド行きの船に乗り込んでしまった可能性がある」と話し、注目を集めていた。
レース鳩は1日に1,000キロもの距離を飛行するといい、台湾のハトがアメリカやカナダで発見されたこともあったそうだ。
■中国からの偵察気球も…
ただしインドとしては、中国から送られたスパイであった可能性を否定しきれていない。昨年2月、中国の偵察気球がアメリカ上空をアラスカから東海岸まで横断したことがあったからだ。
中国側はこれを否定しているが、アメリカ軍がその気球を撃墜し、回収した報機関が分析を進めたところ、天板やワイヤー、電子機器、太陽光パネル、アンテナなどから、中国から送られたものであることが分かっている。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)