一見普通の麦茶、危険すぎる6文字にギョッとしたが… 店員の「神対応」に称賛相次ぐ
ドラッグストアで見かけたペットボトル商品。分かる人には分かる「特大のコンプライアンス」を受け、インターネット老人会から称賛の声が上がった。
「インターネット老人会」と呼ばれる集団をご存知だろうか。主に90年代後半〜00年代前半の「古き良きインターネット(ツ)」に懐かしみを覚えるネットユーザーらを指すスラングである。
現在ネット上では、そんなインターネット老人会の面々を唸らせる「衝撃のエピソード」が話題を呼んでいる。
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■なぜか消えた「3文字」が…
今回注目したいのは、X(旧・ツイッター)ユーザーのlynmockさんが投稿した1件のポスト。こちらの投稿には、店頭に陳列されたペットボトル飲料の写った写真が添えられており、どうやら「NEO」というブランドの展開商品の模様。
いずれも値札には「NEO緑茶」「NEO烏龍茶」といった名称が記されているのだが、なぜか麦茶商品にだけ違和感が。
続く文章にて、lynmockさんは「NEOというブランドの麦茶だから…あれ? 何で麦茶だけNEOって書いてないんですか、店員さん?」と、法則性の乱れを指摘していたのだ。
■「リスク管理能力」に称賛の声
他商品からの流れを汲むのであれば、麦茶の値札には「NEOむぎ茶」の6文字が採用されるのが自然。実際、パッケージには「NEO」というロゴの下に「むぎ茶」表記が続いていた。
しかしこちらは2000年に起こった、当時17歳だった少年による「西鉄バスジャック事件」犯行予告に用いられたハンドルネーム「ネオむぎ茶」を連想させることから、店舗側で表記を避けたものと考えられる。
件のポストは投稿から数日足らずで3,000件以上ものリポストを記録し、他のXユーザーからは「これ以上はよくない」「この危機管理能力の高さ、インターネット老人会では…?」「このリスク管理能力は素晴らしい」「配慮ができる店員さんなんだろうな」など、驚きと称賛の声が多数上がっていた。
一方で「24年も前の出来事だから、もう気にしなくても良いのでは」という意見も散見される。
NEOというブランドの緑茶だから「NEO緑茶」
NEOというブランドの烏龍茶だから「NEO烏龍茶」
NEOというブランドの麦茶だから…あれ?何で麦茶だけNEOって書いてないんですか、店員さん? pic.twitter.com/BlNa8vZo1v— lynmock (@lynmock) January 28, 2024
ポスト投稿主・lynmockさんも、発見時の心境について「飲み物を探していたところ『NEO緑茶』『NEO烏龍茶』と書かれた値札が目に入り、『おいおいこの調子だとマズいことに…』と思いつつ、視線を泳がせていたらこちらの表記を見つけ、『店員さん、分かっておられる』と、ニヤリとしました」「とはいえ、かれこれ干支が2周するほど昔の話なので、こういった配慮はもう要らないかも知れませんね」と、語っていたのだった。
■犯人と同い年の人物に話を聞くと…
そこで今回はSirabee編集部に籍を置く、奇しくも件のバスジャック犯と同い年だという1982年(昭和57年)生まれの編集部員・S氏に話を聞いてみることに。
事件発生当時の心境について、S氏は「衝撃的でしたね。当時、自分も犯人も17歳。高校3年生とあり、進学のことで頭がいっぱいで、そんな最中目にしたのがこの事件でした」と前置き。
続けて「『絶対逮捕されるのになぜやったのか』『バカすぎ』など、だいぶ冷めた目線で見ていました。同時に、3年前に起きた『神戸連続児童殺傷事件』の犯人と同学年だったことから“キレる17歳”などと世代全てが総称され、本当に迷惑だなと思っていました」と、眉をひそめる。
そして「ネオむぎ茶は犯人が2ちゃんねる(当時)で使っていたハンドルネームですが、当時学校で2ちゃんを知る人は『ネットに詳しいごく一部』という時代。書き込んでいるのは非モテ、非リア充の象徴という感じで『そんな安全な世界で虚勢張って、終わってんなコイツ』と、心の中でディスってました」と、同世代ならではの忌憚のないコメントを寄せてくれた。
話題のNEOブランド「むぎ茶」については「完全に偶然の産物だと思いますが、僕の世代やその上の世代だと『おぉぉ…これは笑ったら不謹慎なやつ』と、やっぱり気づいてしまいます…。でも正直、ちょっと面白いと感じてしまうのがリアルなところです」と、これまた正直なコメントが。
S氏は「事件で亡くなった方がいるので茶化して良いことだとは考えませんが、こういった写真が盛り上がってしまうのが匿名ベースのXらしい倫理観だとも思いますし、あのセンセーショナルな事件から20年以上経過し、人々の記憶の中でほぼ咀嚼、消化しきったのかな…とも思いました」とも語っており、事件の「重大さ」とインターネットの「倫理観」の対比を、今回改めて感じた人は決して少なくないだろう。
あの事件から24年という年月が経ち、インターネットは人々の生活とさらに密接な存在となった。今から24年後の2048年、未来のネットユーザーらは過去のネットミームを振り返り、何を思うのだろうか。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)